「自宅で思う存分楽器の練習がしたい」
そう思っても音の問題が気になり、なかなかできませんよね?スタジオやカラオケボックスを使えば近所の迷惑にはなりませんが、都度お金がかかってしまいます。
この記事では
を紹介しています。
自宅で思う存分楽器の練習をしたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
音は空気だけでなく床・壁・天井などの固体の振動によっても伝わります。セフィーネNSは、空気伝搬音を遮ると同時に、床・壁・天 井の振動を抑える独自の技術を取り入れることで、優れた遮音性能を確保しました。用途に合わせてDr-35、Dr-40の2つの遮音性能からお選びください。
防音室の用途には、ピアノのレッスン室やAVルームなどさまざまなものがあるため、個人によって必要とする防音環境は異なります。当社では、ヤマハアビテックスの3つの防音レベルと2つの音場レベルを設定しています。
伝統ある高級ヤマハドアの技術と高レベルの防音技術から生まれた「木製防音ドア」。業界初の“ヤマハ振動カットシステム”の採用により、遮音性能はDr-35を実現。本格的な音楽レッスンにも最適です。
ヤマハ独自のパネル構造により、80~4000Hzの広い帯域でほぼ平坦な吸音特性を発揮。散乱性能も併せ持っているため、一般的な吸音材では得ることができない、音響障害のないクリアで心地よい音響空間をつくります。
自宅で楽器を練習すると、近所の方にうるさいと思われるでしょう。そもそも、音の大きさを数値で表すことはできるのでしょうか?
人は音を聞くと大きい/小さい、あるいはうるさい/静かと主観的に感じます。この主観的な音の大きさを客観的にdB(デシベル)という単位を使って数値で示せるのです。
dBを使って表される音の大きさのことを「音圧レベル」といいます。
実は空気中に音が伝わると、わずかに空気の圧力(気圧)が変動します。音圧レベルは空気圧変化の度合いをレベルで示した数値なのです。
表1に日常生活における音の大きさの例を示します。
音圧レベル(dB) | 例となるシチュエーション |
30dB~50dB | ささやき声、衣擦れの音、郊外の住宅地 |
50dB~70dB | テレビ、小鳥の声、都心の住宅地 |
70dB~90dB | 犬の鳴き声、掃除機、せみしぐれ |
90dB~110dB | 地下鉄、滝の近く |
110dB~130dB | 落雷、ジェット機 |
一般的な住宅の室内で出せる音の大きさは昼間:55dB以下、夜間:45dB以下といわれています。その理由は住宅の壁による騒音低減能力がこの程度であるためです。
表1の数値をふまえて表2を見てみましょう。表2では楽器の音の大きさを示しています。
楽器 | 音圧レベル(dB) |
ドラム | 80〜100dB |
ピアノ | 70〜90dB |
金管楽器 | 100〜110dB |
木管楽器 | 70〜95dB |
弦楽器 | 80〜90dB |
掃除機の音が70dBですので、いかに楽器の音が大きいか(周囲に響くか)わかると思います。
仮に昼間しか練習しないとしても、15dB〜45dB程度の防音対策をしないと自宅で楽器の練習はできません。
騒音計という機器を使用すると音圧レベルを計測できます。日常生活で感じる音の大きさを知りたい方は、一度計測してみてください。
一言に防音対策と言っても三つの種類があります。
吸音とは音を吸収して小さくすることをいいます。硬い壁だと音が反射しますが、壁にスポンジを張ったり、カーテンの布のような柔らかいものをつけたりすると音が反射しづらくなり、比較的小さく聞こえるのです。
遮音とは音を遮ることをいいます。硬い壁や板で音を遮り、そもそも音が届かないようにするのです。向かい合って座った相手と普通に話すと声がまっすぐ届きますが、間にアクリル板があると音の進路が遮れます。この考え方が遮音なのです。
防振とは物体の振動を伝えにくくすることをいいます。物体自身の振動や、他の物体との衝突音は壁や配管を伝って階下の部屋に伝わります。このとき、床に柔らかいものを敷くと振動が伝わりづらくなるのです。
騒音対策を確実に行う手段として防音室があります。人が楽器を持って入れる大きな箱(防音室)の中で音を出しても、箱の外では比較的小さくかつ日常生活に問題ないレベルの音の大きさになるのです。
そのように便利な防音室ですが、選び方にはポイントがあります。
はじめに防音室の防音性能を確認しましょう。前述の通り、防音後の音圧レベルを45dB〜55dBにする必要があります。
防音室を選ぶ際には必ず防音性能が明示されている商品の中から選ぶようにしましょう。防音レベルはJISで規定されており、次のように示されます。
Dr-○○
○○に数値が入り、「○○dB」の遮音性能があることを示します。中には防音性能を明示せずに「静かになります」「楽器の練習にも使えます」のような言葉を使って宣伝されている防音室もあります。
「静かになります」と聞いたときには「どの程度(何dB)静かにできるのか?」と考えるようにしましょう。
「楽器の練習にも使えます」と聞いたときにも同様に「どの楽器に対応できるのか?(結局)何dBまで遮音できるのか?」と考える必要があります。
音は○○dBと定量的に表せるものです。定量的なものに対して定性的(静かになりますなど)な言葉のみで宣伝されている商品を選ぶと、「購入後に防音性能が足りないとわかる」などトラブルの元となりますので、注意してください。
次に考えるのは設置スペースです。設置スペースと聞くと、防音室を設置する部屋の大きさばかりが気になるかもしれませんが、使用する楽器の大きさも考える必要があります。
金管楽器や木管楽器、それに弦楽器など持ち運べる程度のサイズならいいですが、ドラムやピアノなど据え置き型の楽器なら部屋のサイズと楽器のサイズの両方を気にする必要があります。
防音室の中には、部屋の中で防音室を組み立てる「組立式」と、自由に設計できる「施工型」があります。表3に示すそれぞれの特徴を確認しましょう。
施工期間 | 設置スペース | 遮音性能 | 移設可否 | 設置条件 | |
組立て | 半日程度 | 0.8畳〜5畳程度 | Dr-30〜Dr₋40 | 可能 | 賃貸物件でも可能 |
自由設計 | 1週間程度 | 部屋による | Dr-30〜Dr-40 | 不可 | 持ち家が前提 |
施工方法まで決まったら、あとは実際の商品を選びましょう。ここではオススメの防音室をご紹介します。
はじめに紹介するのは組立式の防音室です。この防音室には次のような特徴があります。
組立式であればあらかじめ価格もわかるので安心です。用途や必要スペースに応じて表4から選んでください。
用途 | Dr-35 | Dr-40 | |||
標準壁 | 高壁 | 標準壁 | 高壁 | ||
0.8畳 | 声楽・クラリネット・フルート・ギター | 77万円 | − | 107.8万円 | − |
1.2畳 | 声楽・フルート・サックス・ギター | 85.8万円 | 104.5万円 | 122.1万円 | 150.7万円 |
1.5畳 | 管楽器・チェロなど椅子に座る弦楽器 | 97.9万円 | 117.7万円 | 136.4万円 | 170.5万円 |
2.0畳 | アップライトピアノや管楽器、弦楽器、音楽制作ルームなど | 127.6万円 | 150.7万円 | 176万円 | 196.9万円 |
2.5畳 | アップライトピアノに楽譜棚も置けるレッスン室など | 147.4万円 | 168.3万円 | 193.6万円 | 222.2万円 |
3.0畳 | グランドピアノC3Xが収まる広さ練習室にはこのサイズ以上を | 161.7万円 | 181.5万円 | 209万円 | 228.8万円 |
3.5畳 | 3.0畳タイプの奥行を40㎝延長 | 183.7万円 | 209.0万円 | 235.4万円 | 261.8万円 |
3.7畳 | 3.0畳タイプの横幅を約40㎝拡大C3Xクラスでレッスンやアンサンブルができる | 198.0万円 | 222.2万円 | 240.9万円 | 268.4万円 |
4.3畳 | 少人数のアンサンブル、レッスンなど | 218.9万円 | 240.9万円 | 268.4万円 | 295.9万円 |
次に紹介するのは自由設計防音室です。この防音室には次のような特徴があります。
フリー設計ならではの防音性能やスペースの自由度の高さがメリット。スタジオレベルの高性能な防音室を作りたい方におすすめです。
音場レベルとは次に示す仕様のことをいいます。
騒音対策をするには、防音室以外の手段もあります。しかし、これらは応急的なもの、あるいは防音室と併用するものであり、単体で使用して効果を発揮するものではないため、注意が必要です。
部屋の床に敷いて、階下へ音が伝わるのを防ぐためのものです。ラグタイプ、タイルカーペットタイプなど敷きたい部屋に合ったものを選びましょう。また、重ねて使用することで防振効果を大きくできます。
ドアと壁は密着していないため、隙間から意外に音が漏れるもの。そのような問題を解決するのが防音ドアです。木製防音ドアの場合は、使用する部屋の雰囲気に合わせて色が選べます。
金具で壁に取り付けたり、スタンドで自立させたりして使うパネルです。吸音効果はもちろん、音をクリアに整える効果も期待できます。
この記事では、自宅で楽器を演奏する際に必要な防音対策や防音性能、そしてオススメの防音室を紹介しました。ただし、この記事で紹介したのはあくまでも目安です。購入前(契約前)には必ず専門店に仕様や予算を相談しましょう。
防音室を使うことで、より豊かな音楽ライフを送れることを願っています。