ブラステック
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アルタスフルート工場見学へ行ってきました!!③

2019/03/09 08:32:20

 

こんにちは、Brasstek金沢の丸七です!

脇坂、児玉(春)からのバトンを受け取りアルタスフルート工場見学「その③」のレポートをお送りします!

 

過去のBlogはこちらから↓

アルタスフルート工場見学に行ってきました!! ①

https://mpc-web.jp/gckanazawa/brasstek/2019/02/26/アルタスフルート工場見学に行ってきました②/

 

 

 

さて、派手な美味しい話は前者のお二人にとられてしまったので僕はマニアックな話をさせていただきます。

かなり変態的なお話になるので出来るだけわかりやすく簡潔にまとめます。。笑

 

 

 

楽器の調整を行なっている小林氏。

トーンホールのふさがり具合をライトを使って確認しております。

管体の中でも明るくなっているところがトーンホールです。

どのメーカーのフルートもこのトーンホールをキイについたタンポで塞いで音を変えています。

 

アルタスフルートではこのトーンホール、正確にはトーンホールを開ける配置(スケール)にこだわって楽器の製作を行なっています。

 

 

穴の開く位置を決めるスケールは音程と音色などに大きく影響を与えます。

 

 

フルートの要であるこのスケールについて生産管理の網脇氏にお話いただきました。

現代のいろんなメーカーのフルートの多くは「クーパースケール」というかなり完成されたスケールの設計を採用しています。

自社で設計を開発するために莫大な費用と時間、手間などがかかります。

なので多くのメーカーは既存のスケール、とくにクーパースケールを採用し楽器の設計を行っています。

ですがAltusはクーパースケールがまだ完璧ではない、もっといいスケールが作れるのではないかと考えました。

 

 

「もっといいものを作りたい。」

 

 

 

物作りをする人間なら誰しもが考える欲望にぶち当たりました。

そしてその壁を越えるための挑戦を繰り返しました。

 

その後、月日が流れAltusが開発した『Altusスケール』が生まれるのですが、そこに大きく影響を与えたのがこちらの世界的フルーティスト。

フルート通な方なら写真だけでわかると思います。

あのウィリアム・ベネット氏です。

ベネット氏は有名なフルート奏者でありながらも独自にフルートのスケールを研究しておりました。

ルイ・ロットなどの名機と呼ばれるヴィンテージフルートを研究から得た知識。そして独自の理論。

Altusの創業者でありフルート狂でもあった田中氏はベネット氏に協力を求め、国境を超えたスケール談義を繰り返しました。

こうして今のAltusスケールが誕生したのです。

 

 

ですが現在、その愛の詰まった大切なAltusスケールが他社フルートメーカーにコピーされてしまっているそうです。

「真似されるってことはいいものが作れている証拠」

と網脇氏は話しました。

フルートのスケールについては特許を取った事例がなく後発他社の設計者の分析を防ぐことができないそうです。

ですがそのコピーした他社フルートメーカーのそれは評判が伸びていないそうです。

 

その原因は頭部管です。

 

「Altusスケールはフルートの命であるAltusの頭部管と組み合わさってはじめて最高の状態となります。だからスケールを真似したくらいじゃAltusスケールのポテンシャルを引き出すことはできません。」

 

 

 

管楽器で出る単音には実はたくさんの音の成分が含まれています。

例えば「ド」という音であれば「ド、ド、ソ、ド、ミ、ソ、シ」という音で構成されています。

このたくさんの音の中で一番低い基音「ド」以外の音を『倍音』と呼びます。

 

 

従来のクーパースケールでは(頭部管との組み合わせにもよりますが)基音の「ド」の音は正しく音程が合います。が、その他の倍音の音程が合わないことがあります。

そうなると第1オクターブの音はあっていても第2〜3オクターブの音にが合わなくなる場合があります。

 

 

これを解消したのがAltusスケールなのです。

 

 

現在多くの楽器製作者が「もっといいものを作りたい。」という思いを持って楽器を製作しています。

既存の設計を採用することはもちろん悪ではありません。むしろ効率的です。

しかし、多大な労力を惜しみなくふるい、夢とロマンを背負って完成した唯一無二の設計は格別です。

 

 

今回のAltusフルート社訪問、自然豊かな安曇野から世界へ羽ばたく確固たる思いを感じられるとてもいいものになりました。

 

 

濃厚なお話で疲れたと思いますのでAltus帰りに寄ったわさび農園を楽しむスタッフでお口直しください。笑

 

もっとAltusの濃い話聞きたい!そんな方はお店の丸七をお尋ねください。。

 

 

 

今回作ってもらったフルートはこちら。。

Altus//A907RE”Rose”

 

Altus//TS-RE”Rose”

 

 

 

 

 

 

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Natsuki Marushichi

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