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ジャズサックス初心者が知っておきたい基礎知識

2023/12/20 07:20:28

ジャズに憧れてサックスをはじめてみたいけど、初心者の自分にも出来るかな?

何かを始める時のそんな不安。やり始めて思い返してみると、何てことなかった、という経験はありませんか。その、最初の一歩を踏み出すためのジャズサックス初心者が知っておきたい基礎知識をお伝えします。これからはじまる憧れのジャズサックスライフをマイペースで楽しんでください。

Topics

呼吸法
アンブシュア
マウスピースの選び方
初心者におすすめのジャズサックス

呼吸法

ジャズ、クラシック問わずサックスを吹くうえで重要になるのが呼吸法です。管楽器に興味を持った方なら一度は耳にしたことがある「腹式呼吸」。

呼吸には胸を膨らませる「胸式呼吸」とお腹を膨らませる「腹式呼吸」があり、サックスを演奏する際には「腹式呼吸」を使います。


「腹式呼吸」では、おへそ(少し上部)周りを膨らませて深く息を吸い、腹回りの筋力で圧力をかけて、吐く息のコントロールを行います。最初の内は意識的に行う必要がありますが、慣れてしまえば自然と行えるようになります。

腹式呼吸の練習のコツ

よくわからない方は仰向けに寝転んだ状態でお腹に手を置いて、おへそへ息を送り込むようにお腹が膨らむ息の吸い方を練習してみてください。お腹が膨らむ息の吸い方のコツを掴んだら、今度は立った状態でも行ってみましょう。寝転んだ時と同様に息を吸ったときにお腹が膨らめばOKです。

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アンブシュア(吹くときの口の形)

実はジャズサックス奏者の多くが用いる吹き方とクラシック奏者が用いる吹き方に違いがあります。

ジャズサックスの吹き方

ジャズサックスの吹き方はマウスピースを咥え、上の歯で軽くマウスピースを固定し、唇全体で吹き口を包みます。唇の端を口の内側に向けて力を入れアンブシュアを固定します。下唇の柔らかさを保つアンブシュアで演奏します。

メリット

  • 音色にダークさが出て、音量感も増します。
  • 音のコントロールの自由度が高くなります。
  • 直感的に音を出したり、演奏したりできます。

デメリット

  • 口が疲れやすいので鍛錬が必要です。
  • 高音を出すためにはある程度練習が必要となります。
  • クラシックのような澄んだ音色が出せません。

クラシックサックスの吹き方

クラシックの吹き方は下唇を下の歯に軽く巻きこみマウスピースを咥えます。上の歯でマウスピースを固定し、下唇を軽く巻きこんだ下の歯で支えます。下唇の下方の顎を張り、唇の端の筋肉に力を入れてアンブシュアを固定します。

メリット

  • 澄んだ音色を出しやすく、繊細な表現もしやすくなります。
  • 吹き方をあまり変えずに広い音域に対応できます。

デメリット

  • ジャジーな音色やテクニックがしづらく、どっぷりジャズをやりたい場合に物足りなく感じます。

どっちの吹き方を選べばよいの?

吹き方については、自分が今後どのような曲を吹いていきたいかで、どちらの吹き方を練習するかを決めた方が上達がはやくなります。ジャズをメインに吹きたい方やいろんな曲をジャジーに吹きたい方はジャズの吹き方を、ジャズも吹きたいけどいろんなジャンルの曲やサックス以外の名曲を吹きたい方はクラシックの吹き方を練習すると良いでしょう。

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マウスピースの選び方

サックスのマウスピースには大きく分けてジャズ用とクラシック用があります。

ジャズ用のマウスピース

ジャズ用もダークな音色や明るい音色、さらには金属でできたメタルマウスピースなど、様々なマウスピースが存在します。
ジャズ用のマウスピースの見分け方ですが、マウスピース専門メーカーの多くはジャズ用マウスピースであることが多いです。セルマーやヤナギサワ、バンドレンといったサックスブランドやサックス関連商品を広く扱うブランドからはクラシック用とジャズ用の両方のマウスピースが出ています。黒色のラバー製はクラシック用かジャズ用かパッと見ただけでは分かりづらいので、お問い合わせや商品解説を見るなどした方が確実です。

ジャズ用マウスピースの豆知識

ジャズ用のマウスピースはクラシック用と比べ、リードを付けたときの先端の開きが大きく、息が入りやすい造りとなっています。そのため、クラシック用のリードでは固すぎて音を出しにくい場合が多いので、ジャズ用リードの硬さが2~2.1/2を使う事をおすすめします。

おすすめのマウスピース

ジャズサックスの初心者が1本目に使うマウスピースは、ラバー製の定番のメイヤーの5MMやバンドレンのV16 A5、などからが始めやすいでしょう。

クラシック用のマウスピース

クラシック用も細かく分けると、艶のある音色のモデル、明るい音色でジャンルを問わず使えるモデル、などがあります。ジャズだけとは言わず、いろんなジャンルの曲を吹きたい方はクラシック用のマウスピースの明るい音色のモデルを使うと良いでしょう。

おすすめのマウスピース

最初の1本目にはセルマーのS80 C★やバンドレンのV5 A17、などからが始めやすいです。

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初心者におすすめのジャズサックス

ジャズサックスとは言いますが、どんなサックスでも奏法やセッティングによってジャズの音色もクラシックの音色も出せます。ただし、開発コンセプトとしてジャズ向け、オールジャンル向け、クラシック向けと分けることは出来ます。そんな中から、これからジャズサックスをはじめたい方にオススメのアルトサックスを独断と偏見でご紹介します。

●YANAGISAWA A-WO2

世界でも珍しいサックスの専門メーカー。東京の板橋に工房をかまえ、ほとんどのパーツを自社で管理できるよう自社で製造を行っています。サックス三大メーカー(セルマー、ヤマハ、ヤナギサワ)にも名を連ねる世界に名高いメーカーです。
クラシックでもジャズでもジャンルを問わず人気があります。

スタッフのおすすめポイント

ヤマハなどに比べると音色にノイジーさがあり、私がイメージするサックスらしい音色といえば、この音色です。また、日本人に合わせたキィ配置で、手が小さい方でも持ちやすいです。
 A-WO2はヤナギサワの中でも軽めにならせるモデルです。軽めにならせ、サックスらしいノイジーな音色が欲しい方にオススメです。体が大きい方やパワーがある方はA-WO10やA-WO20などの方がおすすめです。
 ヤナギサワサックス工場見学の様子は⇒コチラ 

●YAMAHA YAS-62

ヤマハYAS-62は開発当初、フラッグシップモデルとしてデビューしました。その後、YAS-62のノウハウを活かし現在のカスタムモデルにあたる上位機種が開発されていきますが、そんな中でもYAS-62は根強い人気があり現在に至るまでマイナーチェンジを繰り返しながら続いているモデルです。ジャズ・クラシックとジャンルを問わず世界的に愛用されています。

スタッフのおすすめポイント

程よい抵抗感がありながらも、素直な音色で自分の色を付けやすいので取り回しが良いところが人気の理由です。
 ヤマハのハンドメイドモデルのジャズプレイヤーに好まれるよう開発されたYAS-82Zもおすすめ。ヤマハのハンドメイドモデルならではの安定感、82Z特有の息の入りやすさ、程よい音色の雑味とジャズを楽しめる要素が詰まっています。

●ROOTE8 Anchert-Authentic

ジャズと共に発展してきた黎明期のサックスの中でもチャーリーパーカーなども愛用したコーン。このオールド コーンの良いところを踏襲しつつ、現代の技術で製造されたモデルです。サテンシルバー仕上げやオクターブキィ、キィガードのデザインは他社には無いアンティークな雰囲気を纏っています。

スタッフのおすすめポイント

キィ配置はコンパクトで日本人の手にもフィットし、違和感なく構えられ運指もしやすいです。吹いた時のレスポンスも良い上に、息の抜け具合を良くする特殊な熱処理を施しているので、初心者でもストレスなく楽器を鳴らせます。

自然に吹いてもハスキーな渋いサウンドが出るので、レスポンスの良さとの相乗効果で、演奏が楽しくなります。ジャズサックス初心者は勿論、ちょっとジャジーに演奏したい方にもおすすめです。唯一無二の渋いデザインで、つい手に取りたくなります。
 ROOTE8の公式HPは⇒コチラ

●EASTMAN EAS652

アメリカを中心に世界中のジャズサックスプレイヤーから評価されているEASTMANのサックス。巨匠ボブ・ミンツァー氏もその一人です。EAS652は、かつてはジャズの中心地であったニューヨークのマンハッタン52番街と当時のジャズに敬意をもって作られたモデルです。

スタッフのおすすめポイント

エイジドされたアンラッカー仕上げの管体からは時の流れを感じます。トーンホールには当時と同様にロールドトーンホールを採用しており、特に中低音が鳴らしやすく、色っぽく歌いたい方におすすめです。重厚な仕様でありながら、吹奏感自体は重くなく、心地よく鳴らすことが出来ます。アンラッカーならではの枯れた音色に倍音が多いサウンドで色彩の豊かさを感じます。
 EASTMANの紹介ブログは⇒コチラ

●Selmer Signature

サックスの中でも最も人気の高いブランド。これまでジャンル問わず絶大な人気があったSA80 SERIE2を、設計段階から見直し大幅にブラッシュアップされて生まれたモデルが、このSignature。

スタッフのおすすめポイント

高音から低音まで違和感なく自然に移り変わることが出来、音色・音程共に圧倒的に安定感があります。無理なコントロールを意識しなくても全音域をストレスなく演奏できます。程よい抵抗感があり、太く密度のあるセルマーサウンドも魅力的です。
至極の1本を持ちたい方にオススメです。
 Selmer Signatureの紹介&レビューブログは⇒コチラ

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難しそうで不安も有りますが、曲を吹けたときは何ともいえない特別な達成感を味わえます。ゴルフや釣りなどの趣味と同様に、うまくいかない時も有りますが、自分のペースで取組めばやり応えもあり長く楽しめます。

趣味だからこそこだわりを持って、こだわりを持つからこそ楽しめる。憧れのジャズサックスで人生をもっと楽しみましょう!

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Written by
Makoto Kubo

中学校に入るときにホルンの形に魅了され、中学、高校、大学でも吹奏楽にのめり込む。卒業後はESA音楽学院にて管楽器修理も専修技術を習得。現場経験も豊富で、プレイヤーの目線で小物や楽器をチョイスし、より楽しい”Music Life”の提案を心がけている。

愛器はAlexander / 200GBL。

ブラステック高岡

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