【レポート】3/12PTNAピアノ・コンペティション課題曲セミナー
こんにちは、楽器センター金沢の織田です。
昨日は本当に暖かい一日でしたね。
まだひんやりですが、春の息吹を感じました。
とはいえ、10時半よりピティナ・ピアノコンペティションの課題曲セミナー!
ピティナのコンペはバロック・古典・ロマン派・近現代とそれぞれ四期の時代の作品が学べるコンクールで、
指導者の先生方がどう生徒さんを導いていけばいいのか、指導者向けの課題曲セミナーを全国各地で開催しているのが大きな特徴です。
今年は本多昌子先生をお迎えして3時間ノンストップ!
本多先生、ご参加くださった先生方、本当にありがとうございました。
その時代の音楽を現代の楽器で表現するということ
終了後、何人もの参加者のみなさまより、本多先生のレクチャーはとても明解でわかりやすいとお声をいただきました。
それもそのはず、先生がポイントをおさえて、わかりやすくご説明くださったからだと思います。
そのポイントは、大きくわけて2つ。
①その作品の音楽形式を理解する
②その作品を楽器を響かせて演奏するためのテクニックとは
①の音楽形式は、たとえばモーツァルトのソナチネを弾く際に
楽譜ではペダルを踏むように指示があったとしても、どの程度踏んでいいのか悩むと思います。
というのは、モーツァルトのころと現代とでは楽器の技術に差があるため、
当時の楽器のほうが音の減衰が早いのです。
楽譜を見て、モーツァルトが指示していたとしても
それがいまの楽器だと音が伸びすぎる、という可能性もあるのです。
ですので、あまりペダルに頼らずに、音と音をつなぐ助けくらいのもので考えたほうが、
モーツァルトの時代の音楽を表現できる場合もあります。難しいですねぇ・・・。
楽譜をそのまま弾くこと以上に大切なこと
また、本多先生はご説明なさるときに必ず作曲家や曲名などからいろんなお話をしてくださいました。
たとえばショスタコーヴィチなら、ソ連の方針に沿った演奏を余儀なくされた作曲家なので、
曲を説明したときに、その運命が表現されたような箇所を弾いてご説明くださいました。
先生はモスクワに行ったことがあり、凍てつくような冬の寒さ、
そしてそこから春を迎える喜びを感じたエピソードなどもご紹介下さいました。
他にも、ここのフレーズはトランペットのように、とか
合奏するイメージで、など他の楽器の演奏のイメージをとりいれる場面もありました。
楽譜をそのまま弾くだけではない、それを体現するための想像力をかきたてるようなお話がいくつも続き、
演奏って言うのは、楽譜どおりにテクニックを磨いただけでは表現しきれないものがあるのだと
本当に実感しました。
小さい身体でも音を響かせることは重要
②ですが、A1やA2など小さいお子さんが出場する級だと、
小さい身体でいかに楽器を響かせるにはどうすればいいのか。
バロックをはじめ、レガート奏法のポイントをお話くださいました。
ねかせたタッチでもいいので、指の腹の面積を多くとって音を響かせることが重要。
そして、お子さんは指を動かすのが上手でも、音をつなげて弾くことは苦手だったりするので、
スタッカートの曲でも、レガートで弾いたり、和音でつなげて、和音の進行を意識してもらったりと
いろんなアドバイスが続きました。
3時間ずっと的確な説明をしてくださった本多先生には本当に脱帽です!
本当にありがとうございました。
ピティナのコンペが始まるのは5月下旬から。
また新しい1年、がんばっていきましょう!!
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