王妃マリー・サイン=ヴィトゲンシュタインのためのアルバムの綴り
2016/12/23 05:36:52
こんばんわ、楽器センター金沢の織田です。
昨日の生ぬるい空気とは打って変わって寒くなった今日ですが、ちょっと変わった洋書のご注文を承りました。
楽譜は、リストの「王妃マリー・ザイン=ヴィトゲンシュタインのためのアルバムの綴り」という作品。
なんて詩的な題名・・・という感じですが、
そもそもヴィトゲンシュタインって誰なんだろうと思って調べたら
リストの最後の伴侶がカロリーネ・ツー・ザイン=ヴィトゲンシュタインという女性だったことがわかりました。
上の絵に描かれている右の女性がカロリーネ。
左が元夫との間に生まれた一人娘のマリーだそうで、この曲は彼女のために書かれた練習帳のようなものなのかもしれません。
マイナーな曲なので、ムジカ=ブタペスト版の全集か、上記の楽譜しかないようですね。
作曲家の日常と創造性を支える女性の存在
リストはマリー・ダグー伯爵夫人との間にワーグナーの妻コジマなど3人のこどもたちがいますが、終生誰とも結婚していません。
アイドル的存在で、多くの女性ファンを失神させた逸話があるリストですが、愛する女性の娘のために曲をつくってあげるなんて、素敵だなあと思います。
カロリーネは公私にわたってリストにかなり影響を与えた女性なのですが、ご興味のある方はこんな本はいかがでしょう。
女性関係だけに限らず、リストが生きた19世紀における音楽界のありようとか、ベートーヴェンに影響を受けていた話などリストがどんな芸術家であったのかがとてもわかる良書です。
当店でも購入可能ですよ。お気軽にお申し付けください。