【レポート】本多昌子先生 ピアノ指導に役立つ『音楽形式』の徹底研究
こんにちは!楽器センター金沢の織田です。
雨が降って太陽が雲に覆われていても、なんだか蒸し暑い日が続きますね。
さて今回は23日に行われた本多昌子先生の公開講座の模様をお伝えします。
多くの先生にご参加いただき大盛況でした!ありがとうございました。
ピアノ指導に役立つ『音楽形式』の徹底研究
クラシックはバロック、古典、ロマン派、近・現代と4期に大きくわかれます。
それぞれの時代の音楽形式を語るうえで、本多先生のお話は以下のポイントを押さえながら進められていました。
①クラシック音楽における4期それぞれを世界史であてはめて、どんな時代であったかを知る。
②その時代にどんな文化が花開いて、音楽ではどんな特徴を持った作品が生まれていたのかを知る。
③現代のピアノでそれぞれの時代の作品を表現するにはどうすればいいのかを考える。
現代のピアノは何の意識もしなければ一辺倒にどの時代の作品でも弾けてしまいますが、
学生のころバッハを弾いた時に「そんなロマン派みたいな弾き方しないで」と注意されたことを思い出しました。
いまは当たり前のように進化を遂げたピアノを弾くことができますが、クリストフォリがイタリアでピアノを発明したのは1709年。
例えば、バロック期のJ.S.バッハが生きたドイツではピアノはまだ普及していませんでしたので、チェンバロなどの楽器のために書かれています。
ピアノはハンマーが弦を叩いて音を鳴らす楽器、チェンバロは弦を弾いて音を鳴らす楽器。
じゃあ、この現代の進化したピアノでJ.S.バッハが意図した音楽を表現するにはどうすればいいのか?
・・・意識すべきタッチ、ペダル、強弱法、装飾音などその時代の「形式」を学ばなければなりません。
つまり、楽器の発達と主に奏法や音楽形式も変わっていった・・・この3つは時代とともに密接につながりあいながら発展を遂げてきたということですね。
それぞれの時代の作品を弾くには、楽譜に書かれていることはもちろん大切ですが、歴史や演奏法、楽器についての知識が必要不可欠であり、それを深めていくことでよりいい演奏ができるということ・・・日々の積み重ねは演奏だけでなく知識面も重要なのですね。
「楽器が違うからできない、ではなく、現代に生きる私たちがその作曲家の心に近づくような演奏をするためになにができるか」という先生のコメントに今回の講座のすべてが集約されている気がしました。
約2時間にわたって休憩なしでお話くださいましたが、参加された先生もずっと集中して聞いて下さいました。
また次回の公開講座は7月を予定していますので、ぜひご参加くださいませ。
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