【修理ブログ】穴の空いたクラリネットのキイの修理
2024/11/25 02:31:31
こんにちは、ブラステック金沢の丸七です。
今日は長年の使用でキイに穴が開いてしまったクラリネットの修理をご紹介です。
長年の摩擦
クラリネットのキイは洋白と呼ばれる500円玉と同じ硬質の金属で出来ていますが人間の指で何十年も擦れ続けて摩耗で穴が開いてしまいました。
上記の写真で拝見の黄色が透けて見えてしまっているのがわかります。
この穴が開いているとタンポをカップに取り付ける際に使用する接着剤(シェラック)が穴からあふれ出てしまうので正しく調整を行うことが出来ませんし穴の周辺の薄くなった金属で指を切ってしまう可能性も考えられます。
なので必ず直したい修理です。
溶接
穴の形状とキイの形状を考慮して当てがね(パッチ)を製作しキイにはんだ付けします。
はんだ付けした後はパッチの角が指に触れても痛くならないように面取りを行います。
磨きとメッキ
はんだ付けしたままだと外観が美しくないので磨き上げます。
磨き上げた後はメッキ処理を行います。
お客様の要望に応じてメッキ加工専門業者に外部委託することもあるのですが今回は予算の都合で当店で簡易メッキを施しました。
完成です。
このように使い古された楽器もメンテナンス次第でさらに長くご使用いただけます。
中古の楽器はこのような経年劣化が強い個体も多く見受けられます。
お手持ちの楽器の状態を知りたい、もっと使い勝手を良くしたいという方はお気軽にご相談ください。
タグ: クラリネット, 管楽器リペア, 管楽器修理
Written by
Natsuki Marushichi
ブラステック金沢