【リペアブログ】チューバの指壊れた指掛けの溶接
2024/08/22 11:27:32
とある学校から預かった修理依頼で預かった古いドイツ製のチューバ。
メーカーは平成になるかならないかの頃になくなってしまったようです。
そんなチューバの指掛けが壊れてしまっています。
パーツの取り寄せが可能だったら取り寄せたパーツを半田付けしてくっつけるのですが今回はそうもいきません。
今回は壊れたパーツをうまく修理して再利用する方法で挑みたいと思います。
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台座と呼ばれる管体に溶接される板と指掛けの柱をくっつけるのですがかなりの負荷がかかって指掛けがもぎ折れたようで破損箇所の打面がうまく合いませんし組みつけもできませんでした。
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台座のバリ、柱のバリを整えてうまく仮組みします。
仮組みが出来たらそのまま溶接を行うのですがハンダ付けだと強度が足りないのでロウ付けを行います。
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半田付けはガスバーナーで200度程度の作業ですがロウ付けは700度と高音での作業となるため安全のためにも慎重にそして真剣度増し増しで行わなければなりません。
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ガスバーナーで加熱していきます。
パーツの温度が上がってくるとパーツ自体が発光します。
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さらに温度が上がるともっと綺麗に輝くのですが温度が800度を超えるとパーツが溶けてしまう可能性があるので調子に乗ってはいけません。
うまく溶接できました。
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ロウ付けの後は表面が変色したり荒れたりするのでそれを整えて削ったり磨いたり、、整えて完成です。
磨きも溶接同様、奥が深い世界なのでそれはまた別のお話で。。
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Natsuki Marushichi
ブラステック金沢