【工房探訪】国産サックスマウスピースの雄、Gottsuの工房を訪問。
みなさん、ごきげんよう。
ブラステック金沢の丸七です。
先日ブラステックの一部のメンバーと栁澤サックスの工場に行ってきたですがその翌日、私だけ関東に残り国産サックスマウスピースの雄、Gottsuさんの工房にお邪魔してきました。
小田急江ノ島線の高座渋谷駅から歩くこと30分、倉庫のような建物を発見し近づいてみると。。
Gottsuの看板発見!!
ちなみに運動不足のリペアマンが初夏の晴天の中30分歩くとこんな顔になります。笑
なんとか無事到着できたようです。
早速中へお邪魔してみましょう!
Gottsuno代表、後藤社長とスタッフのトロイさんに迎えていただきました。
まずは工房の中を案内していただきました。
何やら白い大きい機械があります。
中を覗いてみると。。。。
中で何かが回転しています。
ズームしてみると。。。
旋盤にチャッキンングされたエボナイトがドリルによって穴あけされています。これはシャンクの部分ですね。
Gottsuさんではこのたった一台の旋盤で全てのマウスピースやリガチャーの切削を行なっています。
1日に作ることのできる製作本数にも限りがあり、その本数は10~15本程度とのこと。
最近は日本だけでなくフランスや中国、アメリカなどの海外からの注文も殺到しているためフル稼働しているような状態だとか。
好きに見たり写真撮ったりしていいよ〜、とお言葉いただいたので遠慮なくバシャバシャ取りました。
シルバーリガチャーの銀材の加工
工房の入り口に置いてあったパスタマシーンのような工具。
これは圧延ローラーです。
2年ほど前に販売されたGottsu Madeの銀製のリガチャー”シルバーリガチャー”のリング部分を製作するものです。
僕も銀の加工経験があるので「銀の板を切り出して、ハンマリングをしてるんだろうな〜」と考えていたのですが違いました。。
このリガチャーでは鋳造と圧延(鍛金)で形作られています。
ます銀を溶かします。
銀は800度前後で融解します。
そしてそれを金型に流し込みます。
固まったら肩から取り出し軽くハンマーで叩きます。
それを圧延ローラーにかけていきます。
このローラーは金属を伸ばすだけでなく金属を鍛える(硬くする)効果もあります。
金属の高度でリガチャーの音の響きが変わったりするのでここにも音に関する秘密がありました。
伸びたものがこちらです。元の長さよりも2〜3倍長くなりました。
これを加工していくと
こんな風になっていきます。
これほど惜みもなく銀材を使っているリガチャーはこの世に存在しないのではないでしょうか?
マウスピース製作するための設計
マウスピースを作るための設計図もGottsuさんでは自社でプログラミングしてるとのこと。
見てみる?と聞かれたのでスタジオ兼プログラミングルーム着いていってみました。
ディスプレーに写っているのはマウスピースの3D的な図面です。
実際に削っていったらどんな風に仕上がるかシミュレーションすることも可能なハイテクなフランスのソフトらしいです。
もちろんマウスピースひとつひとつ設計が異なるため設計にかかる時間は膨大、、、。
それでも自分の気に入ったマウスピースしか世に出したくないという思いを持って製作されているため丹念にマウスピースを作ってはプログラムを修正し、またマウスピースを作って、、、と試行錯誤。職人としてのこだわりを感じますね。
プログラミングの部屋にはこんなものも、、、
実はこのリード押さえがいろんなものに使えるように特許出願中だそうです。
ちょっと締めるだけで力強くホールドしてくれるパイプのストッパーのもなるんです。
このストッパーを使って今は音楽グッズ以外にもいろんなものに使えないかアイディアを募っているようです。
今後マウスピースやリガチャーだけでなくいろんなところでGottsuアイテムを見かけるかもしれないですね〜!
いかがでしたでしょうか?
おしゃれは足元から、と言いますが良い音は口元から。です。
初心者さんからプロまで多くのサックス奏者に愛されているGottsuマウスピースのこれからがさらに楽しみになりました。
続いてGottsuさんで新作や試作品のマウスピースをたくさん試奏したレビューブログを準備中です!
乞うご期待です!
タグ: Gottsu, JAZZ, サックスブラステック金沢