「バランス調整」って何か知ってますか?
こんにちは、管楽器フロアーの丸七です!
春に小松に新しくイオンが出来たせいかイオン界隈や小松駅周辺におしゃれなごはん屋さんが出来始めました。
その中のひとつ「1945」というオサレなブラッスリー(仏語/新酒の飲めるお店。の意)に行ってきたのですが料理も雰囲気も”◎”!
小松に行った際には寄ってみてください(別にお店の回し者ではありません。。笑
さて今日は修理のブログです。
今までいろんな楽器のバランス調整を紹介したりしてきましたが、
「そもそも『バランス調整』って何よ?」
「私の楽器の何をいじくりまわすのよ?」
って方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなよく聞く「バランス調整」について改めてのご説明です。
このクラリネットは「時々音が裏返っちゃう。。」と持ち込まれた楽器です。
リークライトという光を発する道具を管の中に入れて見てみます。。。
すると。。。
トーンホールが塞がっていないところがありました!
ぶつかったり、強く押し付けられたり、湿気で膨張したりして、キイが少し曲がってしまったり、塞がらなくなってしまっていたのです。
本来は「LOW F/Cキイ」と「LOW E/Bキイ」が同時に塞がるようになっているのですがLOW F/Cキイが塞がっていないためそこから息が漏れて音がひっくり返っていたのです。
LOW F/Cキイ ↓ Low E/Bキイ ↓
今回、この楽器はこのLOW F/CとLOW E/Bを一緒に塞がる等に調整しなければいけません。
このように「一緒に塞がるべきところをちゃんと塞がるようにする」と言う調整を
「バランス調整」
と言います。
まず、どれくらい塞がっていないかを目視でしっかりと確認します。
だいたい0.5mmと言ったところでしょうか。
この0.5mmを塞ぐために少しキイを曲げます。
この「キイを調整目的で曲げること」を『矯正』と呼びます。
今回はキイを曲げてミッションをクリアする、矯正によるバランス調整を行いましたが調整の箇所によってはキイについているコルクを削ったりしてバランス調整を行う場合もあります。
(一般の方がキイを曲げるのは大変危険です。キイが折れたりケガをしたりする場合もあります。真似はしないでください。)
今回はヘラを使用してテコの原理で曲げましたが曲げ方はいろいろあります。
人生と一緒です。
キイを矯正してみました。
今度はLow E/Bキイが少し浮きましたね。
金属は曲げたら元の形に戻ろうとするバネの様な性質があります。
その「曲げても少し戻ってしまう」性質のことを考え、狙っている具合より少し多めに金属を曲げ金属の戻った時に丁度2つのキイが塞がるようにしてやります。
また曲げた金属は放って置くとじわじわと時間をかけて戻ることが多い(金属の種類・加工法による)ので戻りがなくなるまで待っていると仕事になりません。
なので早めに『戻り』を終わらせるためにすこし楽器と戯れます。
パコパコ、ペシペシ、、、、
(写真を撮り忘れたので擬音でお送りします。本当にパコパコペシペシします。)
はい、こんな感じです!
綺麗に塞がっていますね(どやっ
こんなふうにしてバランス調整は行われています。
全体バランス調整の場合はバランス調整だけでなくもれなく無料で
キイのお掃除や管体、ネジのクリーニングも行います。
普段は掃除できないキイパイプの中も綺麗にします。
リングの内側は手垢の巣窟です。
ネジもこんなに汚れていました。。
楽器の調整をうまく行うためにはそれなりの修練や時間が必要になります。
お店や修理人によっても技術力はまちまちです。
「バランス調整」と言っても吹き手によってが調整の好みが違ったりします。
お客様によって調整の仕方を変えるなんてことも日常茶飯事です。
そんな中で「いい仕事」をするためには、
お客様の要望をしっかりと聴き、どうしたらそれを叶えられるのかを親身に考えて、寄り添いながら作業を行わなければいけません。
それには更なる高い技術力が求められるので、楽器の調整の上手なお店や修理工房で調整の料金が高いのも納得ですね。(僕も修行してはじめて納得しました。。笑
どうでしたか?
少しはバランス調整について詳しくなれたでしょうか?
楽器センター金沢では様々なメーカーや工房と連携をとっておりますので安心して楽器をお預けいただけます。
夏の湿気でクタクタになった楽器、是非一度点検にお持ちください。
常時管楽器修理スタッフがお店におりますので気になることなどあればお気軽にお問い合わせください(^^
今日のブログスタッフ★
まるしちなつき
#永遠の25歳
#SAX吹き
#料理得
タグ: クラリネット 調整, とは?, バランス調整, 調整