楽器工房 ~コンサートバスドラム修理の陣~ スタンド編
今回はかなりマニアックではありますが、打楽器奏者にとっては必然な話です。
見ての通り、最近ではどこの団体もよく使用している、ヤマハ社のコンサートバスドラムです。
発売以来の大人気バスドラムで、ここ石川県内でも使用団体が圧倒的に多いモデルでした。
しかし!!数年使用していると必ずと言ってバスドラムの傾きを固定する、スタンド部分が
甘くなってしまい、しっかり奏者好みの角度に固定出来なくなってしまってます。
原因はコイツ↓です。
コイツがスタンドに、しっかりと固定されないので、クル~クル~回ってしまいます(泣)
今まで「回転軸」を交換したり、スタンドを加工してきましたが、さすがに初期の「Aタイプ」は
もう限界です。ちなみに「B」タイプも「Cタイプ」も時間の問題ですが・・・・
今回、こちらからの提案でヘッド交換に合わせて、スタンドも新タイプに交換することに
なりました。早速作業開始。ボルトをはずしてヘッドをはずしていきます。
ヘッドをはずしてクリーニングした後、各ラグ等のネジ部分もゆるみが無いか
再度加締めていきます。
ここで、諸悪の根源(なんて言ったら怒られるかな?)のバスドラム本体側の
スタンドクランプ部を最新型に交換します。
太さの違いが一目瞭然ですよね。
旧タイプの状態がこれで↓
新タイプを本体に取り付け終了↓
ここで交換するスタンドの仕様変更にも注目!側面のアーチの形もよりスリムに
なって身体の小さい方でも、よりバスドラムに接近できるようになり、多様な演奏スタイル
に対応出来るようになってます。
(左)旧タイプのA型 (右)新タイプBS9000タイプ
打面が旧タイプより、約7㎝ほど高くなっているのもお分かりいただけると思います。
さあテンションボルトもしっかりと、古くて汚れているグリスなどをクリーニングして
新しいヘッドと供に取り付けていきます。
最後にチューニングも時間をかけてしっかりとして完成です!
練習場くらいの大きさの部屋だと、チューニングして響くようにしていくと、
部屋の中の蛍光灯やスタンド、窓などが共鳴してビリビリ鳴ってくるほど響くようになります。
まもなく新年度になって、コンクールシーズンがやってきます。
ティンパニ、バスドラム、スネアドラムの調整・ヘッド交換などはお早めにご依頼
下さい! 学校現場や各団体の練習場所に伺って対応させていただきます。
担当は、最近ますます娘たちに毎日振り回されている児玉(コダマ)でした。