KOGEI x Music Gear
山田です。
私としては久しぶりのブログになりますね。
新しい姉妹店「White Guitars」のオープンに加え、昨今の事情もあり何かと慌ただしくさせていただいています。
そんな中ではありますが、弊店自社工房で製作される stilblu【スティルブルー】
弊店がデザインから監修まで行う NAGI GUITARS【ナギギター】
などのオリジナル・プロダクトの製作や開発を進めています。







オリジナルプロダクトである「stilblu」のここまでの道程を振り返りつつ、新しいプロジェクトへのストーリーを記していこうと思います。
CONTENTS
- 伝統工芸(工藝)とのコラボレーションからスタートした stilblu の変革
- まさかの打楽器と工藝。海野俊輔 氏とのリレーションがスタート!
KOGEI x Music Gear 「stilblu(スティルブルー)」
stilbluのピックガードは銅製(一部 真鍮製)で、その面には富山県高岡市に伝わる伝統工芸「高岡銅器」の発色技法を用いて、プリントなどではない本物の緑青をテクスチャとして採用した stilblu / Original Patina Pickguard を開発し採用しています。

その開発には高岡市の伝統工芸のコーディネーターである「漆器くにもと」の國本耕太郎さんにいつも尽力をいただき、「Momentum Factory Orii」の折井宏司さんをはじめ、様々な伝統工芸士とのコラボレーションを行ってきました。


高岡クラフト市場街2018 & 2019





















単純に工藝と楽器をブレンドするといった半ば色物的な立ち位置は、私たち楽器のプロとして求めているものではありません。
その工藝としてのファクターが、デザイン性はもちろん既存とは違う特異な音響特性を与え、その結果がチャレンジを促し楽器のサウンドや弾き心地に新しい感覚とサプライズを持たせること。伝統に傾聴しつつも革新を恐れず自身らのアイデンティティを確立し、その結果ユーザーの音楽のある暮らしを豊かにする事が私たちの欲求です。
その検証としてプロのミュージシャンとのリレーションは欠かせません。ブランド創成以来多くのプロミュージシャンに実機を触っていただき、フィードバックをいただいて改良を重ねてきました。stilblu は2018年5月のサウンドメッセ大阪でのローンチより4年目(2021年8月現在)ですが、当時には考えていなかった構造やパーツなどを多く開発しました。











































緑青を生かしたピックガードを筆頭に、ネックプレート、ピックアップカバーは独自の音響特性を持っています。その結果、有用と判断されたミニハムバッカーはstilbluがこだわる大きなポイントになっており、オリジナルのミニハムバッカーも開発。
stilblu IRISに採用されているピックアップ「Victory Pickups」はギタリスト井上大地さんからの助言もあり採用。そのセンシティブな出力特性は銅製ピックガードの特異を存分に引き出しています。












専門研究機関との科学的見地からの音響特性の可視化も行いました。富山県立大学の寺島先生が主宰する「NVFC LAB.」にて、銅製ピックガードがエレキギターに与える音響特性を検証した共同研究を計画し実施。製作側の私たちが知覚している感覚を言語化し確定的にするフロー。結果、感じていた印象どうりの計測結果が得られ、製作の留意事項や開発の意思決定に大きな助力となっています。












2021年6月に撮影したばかり、通常の樹脂製ピックガードと緑青を施した銅製ピックガードの差を科学的に検証した動画です。(概要欄から子供向けのコンテンツとしてもアップされています。※富山県立大学 ダ・ヴィンチ祭の一環で製作されました。)
弊店で再編集した同内容の動画です。サウンドの聞き比べにフォーカスしています。
その出来上がった価値を知っていただくために、stilbluと共に多くの展示会やイベント、ライブに参加してきました。
おかげさまで全国、海外からも多くのオーダーをいただき、「ふるさと納税」にも登録していただいております。




















































stilbluのユーザーである Robin’s Egg Blue のMasashi Ishiuraがオーガナイズした「雑スクエア2018 & 2020」では、若鶴酒造の酒蔵に併設された会場にて、多くのミュージシャンのライブと共にstilbluブースを展開しました。※写真は2018の模様

























アパレルブランド「SUGAR GLIDER」とのコラボレーションも行い展示会に花を添えました。
プリントデザインに加え、ポケットのギミック(ピックポケット)も取り入れたデザインは 木原彰夫さん によるもの。













現在では、弊店以外で2店舗のみで stilblu を取り扱っていただいております。
生意気を言うようですが、私たちがユーザーと接する方の人となりを理解した上でお任せできるお二方にお願いしております。
関東方面、東京では「Xotique」 渡辺 達紀さん
関西方面、大阪では「Brush Eight」 中村 文彦さん
両名とも弊店Blue Guitarsともお付き合いが深く、stilbluをよく理解いただいており、一方で私たちもリスペクトする方です。




stilbluはブランドコンセプトやプロダクトデザインに各種ディレクションを山田が行っています。製作は木工においてはWood Custom Guitars、Kino Factoryに外部委託し、木地の最終調整から塗装、エイジド加工、組み込みにおいては水上がBlue Guitarsの自社工房にて行っています。(Blue Guitarsのリペアスタッフがヘルプで入ることもあります。)
完成時には最終的なインスペクションを山田が全数行い最終的なバランスを決定し、水上がそれを受けて調整します。最後に認定証にサインを両名で入れて納品、お渡しとなります。






遠方からのご来店も増え、ギター専門誌「Guitar Magazine」「YOUNG GUITAR」などにも取り上げていただきました。
本当にありがたいことです。
世の中が落ち着きを取り戻した際は、またstilbluと全国、そして世界をめぐりたいと思います。

「Project KOGEI x SNARE DRUM feat. 海野俊輔 」
そして今回新たにスタートするKOGEI x Music Gear 「工藝と楽器」のプロジェクト。
それはなんと「打楽器」で「スネアドラム」


弊店スタッフは私を含めて全員がギター製作の専修学校にて技術習得を行った人材ではありますが、打楽器においては専門的に学んだことはありません。私としては楽器業界20年の経験はあるといった感じで新たなチャレンジです。
そこで今回は強力なリソースとして監修にジャズドラマーの海野俊輔 氏をお招きしました。

海野 俊輔 (Shunsuke Umino) Drums 1979年、富山県魚津市生まれ。 大学入学後にジャズドラムをはじめ、原大力氏に師事する。大学在学中からプロとしての 活動を始め卒業後に活動を本格化。2004年、横浜ジャズプロムナードコンペティション に出場し、海野雅威トリオでグランプリ及び市民賞を受賞。 世良譲のグループを経て、これまでJon Hendricks、Clarence Penn、Jason Marsalis、Bob Sheppard、 Vladimir Shafranov、MALTA、今陽子、伊藤君子、山下洋輔、チャリー ト、向井滋春、峰厚介、山口真文、川嶋哲郎、原朋直、山本剛、鈴木良雄、吉岡秀晃、 TOKU、小林桂、SOIL&"PIMP"SESSIONS、矢野沙織、寺久保エレナらと共演する。 2012年、堀秀彰(P)トリオで韓国テグInternational Jazz Festivalに出演、 2013年に中川英二郎(Tb)カルテットでパリ公演を行うなど海外でも活躍の場を広げている。 2008年に初リーダーアルバム『Beautiful Friendship』、 2016年にディスクユニオン SOMETHIN'COOLレーベルより自身2枚目となる『Mirage』をリリース。 2018年に海野俊輔 Mirage Trioとして最新作『Air of Northland』を発表。 2019年にはMirage Trioで結氷した屈斜路湖上で演奏するなど精力的に活動している。 現在、中村健吾グループ、平賀マリカカルテット、三木俊雄トリオなどのグループの他、 自己のバンドなど幅広く活動中。
海野 俊輔 Official Websiteより引用
http://umishun.com/profile/index.html

実際は海野さんからお話をいただいたと言うのが正しい表現なのですが(笑)
前述の漆器くにもと 國本さんとも繋がりがあり、かつ以前に弊社の音楽教室でも講師をやっていただいており山田とも以前から面識があって
お互い「こんなの出来たら面白そうだね~」とトントン拍子に事は進み・・・
東京と富山で電話やZOOMで打合せを行い、プロトのおおよそのスペックが決まり、製作を開始するところが現在地。
今回、取り入れる工藝はスネアのウッドシェルに「漆 うるし」と「彫刻 ちょうこく」を施します。
漆のゴム質の特性によって妨げられるであろう胴鳴りとフリークエンシー
加えてプライウッドのウッドシェルに施す規則的な凹凸の彫刻から生まれる音響特性
キルト(手芸の技法)のテクスチャをモチーフにしたMiki Mochizukiによるデザイン
既に工藝とクラフトを融合させたこのトレイのデザインを、今回のスネアに活かさせていただきます。(デザイナーには了承をいただいております。)
QUILT Round tray 30 / キルト ラウンド トレイ 30 つい触れてみたくなる、やわらかなキルトのテクスチャー 久しぶりに会う友人にコーヒーと手作りのスイーツをサーブする。 お気に入りのぐい飲みと徳利を載せて、ウッドデッキで月見酒。 そんな、毎日の暮らしに彩を与えるアイテムです。 国の伝統工芸にも指定されている高岡漆器の「彫刻塗」の技を用いて、現代の生活様式に合った新しい商品を作りたい。 そんな時出会ったのが、彫刻塗の『双鯛盆』。 明治30年に納富介次郎氏によって考案されて以降、現在まで作り続けられてきた銘品です。 その意匠を踏襲しつつ、鯛盆の鱗彫刻だけをピックアップし抽象化していくことで、キルティングや石畳を思い起こさせる新しいデザインが生まれました。 モノを載せることを考え、あまり凹凸を大きくしすぎない、仕上げで艶を落とし光をやさしくするなど、細部にもデザイナーと作り手の工夫が詰め込まれています。 高岡の受け継いだ『技』を、次のステージへ! ■仕 様 サ イ ズ : Round tray 30 φ300×25mm 材 質 : 天然木(シナ合板)/カシュー仕上げ パッケージ : 紙箱 デザイン: 望月未来 工芸都市高岡クラフトコンペ2016 ファクトリークラフト部門 グランプリ受賞 2017年 東京ギフトショー 「ベスト匠の技賞」 受賞 2017年 富山プロダクツ 認定
漆器くにもと Online Store – QUILT Round tray 30 / キルト ラウンド トレイ 30より引用
http://www.kunimoto-japan.com/?pid=110618904

先日、行われたUO JAZZ 2021に國本さんと伺わせていただき、久しぶり海野さんの演奏を生で楽しませていただきました。
弊店でもLIVEを行っていただいたりNishgaki Guitarsでのリレーションでもお世話になっている小沼ようすけさん、おなじみ富山出身の歌姫 CHIKOも出演されており、久しぶりの生のライブがよりエキサイティングなものに。

そして海野さんと言えば、普段は温和で優しい表情が、ドラムを演奏する際は眼光も鋭く真剣な面持ちになられるのがいつも印象的。
この日は色々なヒストリーがある中でフリージャズ・ピアニストの大御所 山下洋輔さんをフューチャーしてのリーダーバンドだったこと、学生時代から敬愛するドラマー沼澤尚さんとの共演もあり、少しいつもとは違った海野さんを見られた気もしました。

そして終演後にステージ袖で数年ぶりにお会いできました。
このプロジェクトを進める上で3名が顔を合わせて意思統一!!
続報にご期待ください。

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Blue Guitars (開進堂楽器 MPC楽器センター富山 1階)
TEL:076-433-0942 (12:00-18:00、水曜定休)
Mail:blueguitars@kaishindo-music.co.jp



































