【Collings D2H】抜群の完成度を誇る実力派
Collings D2H
Specifications
Top | Sitka spruce |
Back & Sides | E. Indian rosewood |
Neck | Honduran mahogany |
Fingerboard | Ebony |
Bridge | Ebony |
Neck Profile | Modified V |
Brace Pattern | Pre-war scalloped X-brace |
Weight | 2.197㎏ |
今回入荷したのはいわゆるスタイル28、ヘリンボーン・バインディングをボディに施したポピュラーなモデルです。トップ材にはシトカスプルース、バック材にはインディアンローズウッドを配置したカタログスペックの1本。
スタンダードモデルながら抜群の完成度を誇る実力派の人気機種です。戦前のドレットノートを基にした構成でオリジナルのアドバンスドXパターン、Pre-Warスキャロップブレーシングにより各弦の輪郭がより際立つサウンドを実現しています。
厳選されたウッドマテリアル
コリングスの特徴として徹底した木材へのこだわりがあります。製作されるギターはすべてコリングスが求める高い水準で選定されトップ材はもちろん、使われる木材は全てにおいて最高の物を使用しています。
ビル・コリングスは木材へのこだわりについて・・・
「ただスプルースを手に入れるだけなら簡単だが、ギター用に使えるスプルースはそのうちの1%。そして我々が欲しいと思うスプルースは、その1%の中の10分の1しかない」「他社は価格帯の低いギターも作るから、質の悪い材も使わざるを得ないだろう。我々は安いギターは作らない」「競合他社より高いグレードの木材を入手するため、他社よりも高い金額を支払っている」など様々な発言をしています。
産地などスペックシートだけで楽器の良しあしを判断していませんか?
本器も一般的に使用されるシトカ・スプルースをトップ材に採用したモデルですが、しっかりと格の違いを感じることが出来きます。もちろんサイドバックのインディアンローズウッドも雰囲気も抜群に良いです。
良質な木材の確保が難しくなってきた中でも、このような材を手に入れられるのは、木材のサプライヤーとの関係がしっかりいなければ実現できません。グレードを落とすことなく、スタンダードモデルを高い次元で維持出来ているのは自分たちの楽器に対してのこだわりを感じます。良質な木材の確保のためにコストをかけていることが想像できます。それではサウンドを聴いてみましょう。
試奏動画
試奏動画では10畳ほどの部屋でコンデンサーマイク2本(L : audio-technica / AT4040 , R : audio-technica / AT2020)でサウンドをレコーディングしています。軽いタッチでのフィンガースタイルでは発音性の良さを感じていただけます。演奏者が入力した分だけ反応し、必要な分サスティーンを生んでくれます。ストロークではドレットノートらしい音圧はもちろん、しっかり輪郭があり遠くまで飛んでいる印象。過不足がない適正なサスティーンは歯切れがよく、ドレットノートらしい野太さもありながらタイトなサウンドを楽しめます。
本家をリスペクトしながらもプレイヤー目線の独自のアレンジ
Bolt-on-neck…
ビル・コリングスは戦前のマーティンに非常に魅力を感じながらも問題を感じていました。そうした経験から構造や工法にこだわりコリングスではビンテージ・ギターを再現することを目標にしているのではなく、改善すべきところは改善し、最高のギターを作ることを目標としているそうです。
特にネック・ヒール側にボルトを入れた独自構造のジョイント工法を採用することにより、演奏性に優れる小さいヒールを可能にしながら結合まわりをタイトにすることが出来ます。その結果、全ポジションで音質が変わらないピアノのように美しい響きを奏でることを可能にしたと言われています。是非試奏動画で確認してみてください。
Finish…
コリングスでは伝統的なラッカー・サンディング・シーラーの工程をカット。固く、より薄い塗装が可能なUVにサンディング・シーラーの役割をさせ、トップにラッカーを吹くことにより塗装膜をオール・ラッカーよりも薄くすることに成功しています。塗膜を薄くすることによりサウンドと耐久性を向上させています。四季があり環境の変化が厳しい日本でも安心ですね。艶感なども絶妙でシンプルながらも高級感がしっかりあります。
Bill Collings…
完璧主義者としても知られるビル・コリングスは「考えられる最高の技術で最高の楽器を作り、質のわかるユーザーに使ってもらいたい」という信念を持って素晴らしい楽器を作ってきました。
1976年から1988年までビンテージギターのリペアに従事し、戦前のマーチンやギブソンなどの現在ではミュージアム級のビンテージギターや名もないギターまであらゆるギターの構造を学び、木材やトップバックの厚み、ブレーシングなどがどのようにサウンドに影響するかを理解したと言われています。
1988年に自らの名を冠したコリングス・ギターの製作開始。1992年にテキサス州オースティンの現在の工房を構え、音楽の街に根ざしてギター製作を続けており、プロ、アマ問わず多くのプレイヤーに愛されています。
40年ほどの歴史のブランドですが、その質の高さからコリングスは“世界で最も優れたギターを作る”と言われ、ビル・コリングス亡き今もその意思を引き継ぎハンドメイドされています。
一生モノをお探しの方に
アコギファンの方で一生モノのアコギを考えた際、いつかはD-45…いつかはビンテージなど想像すると思います。レアリティーの高い楽器を大事に所有していただくのもアコギファンとして最高の喜びだと思います。
様々な影響で価格が上昇しているギター、D2Hも気づけば多くのファンにとっては一生モノの価格になってしまった今。一生の相棒を考えた時、様々な面で安心してプレイでき、満足度の高いコリングスも選択肢の一つとしておすすめしたい1本です。
ギターの歴史を見ていくとドレットノートの登場はまさに革命だったと思います。またコリングスの登場も革命的でその後多くの製作者やメーカーに影響を与えました。弾き語り、リードプレイ、ソロギターまで様々なシーンで活躍するドレットノート。憧れたあのサウンド、抜群の完成度を誇るドレットノート、是非ご検討ください。