【RLセレクション】スタッフ尾島の今週の一本!!~Martin編~ レビュー
新シリーズ“RLセレクション”が始まりました!!
こんにちは!
Rock Labelギター担当の尾島です。
実際弾いてみた感触を元に、よりリアルな情報をお伝えできるブログをこれまで掲載してきました。
そんな思いから自らが選んだギター。
いわば「スタッフ選定品」をご紹介したいという気持ちで、
【RLセレクション】
というコーナーが開始いたしました!
基本的には毎週各スタッフが“俺の一品”を紹介していく事になりますが、今週はMartinです。
聞き馴染みのある方も多々いらっしゃるかと思いますが、ギタリストなら一本は必ず所持しておきたいギターというイメージを私は持っています。
そんな“いつかは欲しいMartin”ですが、今回私が選んだ俺の一品は・・・
ドレッドノートと同じボディ厚を持つ、グランドパフォーマンス(GP)ボディを採用した、
「Martin GPCPA4」。
Martin GPCPA4
正直Martinの中ではメジャーな方では無いモデルですが、非常に優秀なサウンドを持っていたのでご紹介いたします!
GPCPA4は先ほども記載しましたがボディサイズがOOOよりも大きく、ドレッドノートと同じボディ厚のMartinによるモダンシェイプ、
グランドパフォーマンス(GP)というボディサイズを採用。
またエレアコながら、オール単板にハイブリッドXスキャロップドブレイシングでMartinらしく生音にも妥協のない仕様になっています・・・
●GPボディはとても大きそう・・・
文字で見るととても大きいイメージがあり、私もそういったイメージを持っていました。
しかし実際構えてみると大きさは全く感じませんでした。
ほぼドレットノートサイズと同じ感覚で抱え込むことができ、GPCPA4はカッタウェイ加工がされており、むしろ弾きやすさは向上している印象です。
そんな演奏性を保ちながら、シェイプとしては大きい為しっかりと低音に対しては恩恵を受けています。
深くて広がるような低音が鳴り、フィンガリング、ピッキング共に非常に上質なサウンドを持っている印象を受け、とにかく弾いていて楽しいギターというのが、私のGPCPA4の第一印象です。
また、トップのフィニッシュはグロスですがネックはサテン仕上げで、個人的には手に馴染む感覚がさらに良い印象でした。
これに関しては完全に私の好みですね・・・
ポジション移動の際に引っかからないというか、余計な神経を使わずにプレイできるというかなんというか・・・
とにかく私にとってはサテン仕上げはかなりのプラスポイントです!
サウンドの二面性・・・
このギターを私が弾いた時に素直に思ったのは、
「生音と、アンプに繋いだ際の音色のキャラクターが違う。」
二面性があるなーという印象です。
●コードストロークが似合う生音
生音はどちらかというとピックによるストローク奏法が似合う印象です。
GPボディだけあって豊かな低音がやはり特徴的で、コード感を強く表現しやすく安定感のあるコードワークが得意。
弾き語りやスラム奏法に最適なサウンドを誇っています。
低音が突出しやすいので、少し中域が引っ込んで聞こえますが、高音域とのメリハリ感はしっかり持っている点やアコギ一本でも十分な重厚感、奥深さを持っているので前述した奏法が一番マッチするかと思います!
●【余談】スラム奏法とは??
平たく言うならばスラム奏法とは、右手でボディや弦を叩きパーカッシブなサウンドを出しながらギターを演奏する一人二役のようなもので、
今日本でこのスラム奏法を幅広く採用しているのがYoutubeで人気の瀧澤克成氏かと思います!
氏は豊富なギター経験を元にギター講師やエンジニア、最近ではアーティスト活動など幅広く活動されてる方で、現在はパワフルで透き通った声を持つボーカリスト、石河美穂氏とのアンプラグドユニット「ウタイスト」を結成し、精力的に活動されている方です。
その瀧澤氏もMartinのOOO(トリプルオー)モデルをメインで使用しており、バシバシスラム奏法を活用して演奏しています。
OOOはGPCPA4より小さく演奏性に優れたボディシェイプで抱え込みやすく、Martinの中でも高い人気を誇っています。
しかし本モデルも弾きやすさこそ劣る部分はあるものの、サウンドの面では良い特徴を持っており、また違ったスラム奏法を表現できるモデルだと思っています。
私も少しスラム奏法で弾いてみましたが、低音の迫力がありエレキギターで弾くような楽曲でも、かっこいいサウンドを出すことができました。
スラム奏法ではリズミカルな楽曲が相性が良く上手くハマるとめちゃめちゃ楽しいです!!
興味がある方は、ウタイストで検索をかけるとバチバチなスラム奏法が見られるので検索してみると良い刺激がもらえると思います。
もちろん、スラム奏法ではなく弾き語りスタイルにもおすすめできる、そんな生音を持っているのが「Martin GPCPA4」です。
●艶やかなアンプサウンド
アンプに繋ぐと低音の豊かさはそのままに中域、高音域にハリと艶、また表現次第では柔らかいトーンを演出できるキャラクターに変化します。
特に生音では乏しかった音のハリと芯・艶といった部分の変化が大きく、ピックによるコードストロークよりは、
フィンガースタイルで透明感を出したり、時には柔らかさを持たせるようなソロギターに非常にマッチするサウンド
だと私は感じました。
もちろんアンプ側のセッティング次第である程度色んな音色は出せますが、一番このギターが得意とするのはこういった少し繊細なスタイルだと思います。
ギターには「Fishman F1 Analog」というピックアップが搭載されていて、これがあの艶やかさを出しているのか、操作性、サウンドクオリティ共に私は非常に気に入りました。
トーンのツマミが一つしかないため、Low、Mid、Highを個別で調整したい方には少し扱い辛い部分があるかもしれませんが、私はたくさんあるのが苦手なのでむしろこの潔さはプラスになりました。
また右側、ボリュームツマミを長押しするとチューナーモードになりチューニングも本器一本で完結します。
左側のトーンツマミをプッシュすると位相を変化させるのか、低音がすっきりした音色とブーストしたように聞こえる音色の二つを切り替える事ができます。
自分のプレイスタイルに合わせて適切なスタイルを選びたい所ですね・・・
デメリットは??
これまで「GPCPA4」のメリットをたくさん挙げていきましたが、次は弾いてみて感じたデメリットについてです。
私にはマッチするのですが、ネックのシェイプが「Performing Artist」というものを採用しています。
これは通常のMartinのネックシェイプより少し薄目で一応コードを押さえやすくと考えられたネックシェイプですが、人によっては握りにくさを感じる方もいるかと思います。
要は万人受けのネックシェイプではないので、せっかく良い音を出しているのに握りにくさから断念してしまう方がいらっしゃるというのが最大のデメリットかと思います。
また、抱え込みやすいといってもドレッドノートサイズぐらいは体感としてあるので、そもそもドレッドノートサイズが大きすぎるという方には余りオススメできない一本です・・・
後はトーンが一つしかない部分がまた人を選ぶ要因かと思います。これに関しては好みなのですが、細かいセッティングはできないので嫌な方は嫌かもしれません・・・
ただ、このギターにそんな細かいセッティングは求めてはいけません笑
スペック
スペックに関しては、こちらに詳細ページがございますので下記をご覧ください!
最後に・・・
いかがでしょうか?
中々長い記事になってしまいましたが、伝えたい事が多すぎました笑
要は、アンプラグドな一面とエレアコとしての一面。
そんな二面性を持つこのギターの面白さが、皆様に伝わりましたら本望でございます!
最後までご愛読ありがとうございました。
私が書きました記事は下記リンクからご覧いただけますので、ぜひご一読くださいませ!
ではまた次の記事でお会いしましょう!!
楽器センター高岡 Rock Label
Yuzo Ojima
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