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アーティストが好んで使う「アップライトピアノ」の魅力

2022/10/08 07:38:47

ピアノクラウド白山の織田です。

この前、テイラースウィフトのドキュメンタリー映画「ミス・アメリカーナ」を見ていたんですが、

Youtubeでの予告編にも一瞬出てくるけれど、レコーディングにアップライトピアノを使用しているシーンにどこか心惹かれました。(いや感動したのはそれだけじゃなくて、特に女性に勇気をくれる最高の映画なんですけども!)

世界でも指折りのアーティストの彼女がアップライトピアノに向かっている姿がとても印象的だったのですが、クラシック畑な私からするとなんでグランドピアノじゃないんだろうっていう意外性を感じたからです。

というのも……↓↓

そもそもアップライトピアノとは

ピアノと言われて皆さんの頭に思い浮かぶのは、学校の体育館や音楽室に置かれている「グランドピアノ」なんじゃないかなと思います。

大きいですね!グランドピアノって小さくても150~160cmは奥行きがあるので、なかなかご自宅に置くのは勇気が要ります(いや自宅で弾けたら最高なんですけども…)。

そこで「アップライトピアノ」なのですが、見てわかる通り奥行きはグランドピアノに比べてスリム。奥行きは60~65cmくらいです。文字通りUplight=直立したピアノです。

サイズを取らないピアノなので、グランドピアノが設置する場所が取れないご家庭や、学校、小規模の演奏会場などに広く設置されています。

ピアノに通ったことのある人だと「ご自宅で弾くピアノ」というイメージがあるのではないでしょうか。私自身そういう認識ですし、コンクールや発表会もグランドピアノを演奏するので、力強く、時には繊細に奏でられるグランドピアノに憧れてしまうのは仕方がないことかなと思います。

一見弱点にみえる「ぼやけた音」が魅力

とはいえ、角野隼斗(Cateen)さんもライブでアップライトピアノを使用しています。

坂本龍一「千のナイフ」で、手や楽器のボディを叩いた音やアップライトピアノのぼやけた音をルーパーに多重録音し、グランドピアノの明瞭に鳴り響く音と重ねて演奏したときの感動!そのときの音のコントラストにはちょっと驚いてしまいました。裸足でペダリングにルーパーに…手元だけでも4台の楽器を使いこなしている様がかっこいいのなんのって。

話題となったFUJI ROCKでももちろん登場。さすがにポロネーズでは使ってませんが、屋根が開き、上前板を取っ払った剝き出しの姿で後ろに設置されているのが見えます。

アップライトピアノは「雑音」が魅力

KingGueの「白日」MVでの演奏が印象的なキーボーディスト江崎文武さんは人気音楽番組「関ジャム」にも出演し、アップライトピアノの音を好んで使っていると発言しています。

↓のYoutubeのサムネイルのようにマイクを鍵盤のハンマーまで寄せられるので、ハンマーが動く音を一緒に録ってしまうことができ、ハンマーがカタカタ言ったり、演奏者の服が演奏中に衣擦れする音なども含めて、ASMR的な効果を得られるとほかのアーティストにも人気なのだそう。

ハンマー音や衣擦れなど、通常なら「雑音」として認識すべき音ですが、「雑音」というサウンドを音楽として捉えることにより、臨場感を感じることができるのです。

今の技術ならそんな音は消してしまえるし、クリアな音を目指して技術革新は行われてきましたが、それだけが価値ではない…サブスクの時代にあえてレコードの再評価がされるような、そんな感覚と言えます。

彼は更に音を抑える「マフラー」も使っていますね。
マフラーは一部グランドピアノにもありますが、アップライトピアノには標準装備されています。

このペダルを使う曲はクラシックではほぼないので、普段の練習で音を抑えたいときに限られますが、個人的にはしっかり音を出せないフラストレーションしか生み出さないペダル、というイメージしかありません(笑)。

でも、アップライトピアノにしかないこの音色がアーティストのインスピレーションを掻き立てることもあるのですね…。

↑の写真の真ん中のペダルがマフラーペダル。

アップライトピアノの場合はこのペダルを踏んだり、踏み込んで左に引っ掛けて固定すると、音を抑えることができます。(グランドピアノはレバーが装着されています)

下記の白いフェルトがマフラーなのですが、ペダルを踏むことによって弦をたたくハンマーと弦の間に入れ込み、ハンマーがフェルト越しに叩くようにする仕組みです。

ピアノに対する固定概念を才能あふれるアーティストがいい意味で打ち崩してくれる瞬間って感動してしまいますね。アップライトピアノしかない魅力を打ち出すアーティストに出会ったらぜひ注目してみてください。

もちろん自分で弾くのもあり!

ぼやけた音、というのは淡い音色が似合う作品にこそ生かさるのでは…と思います。

サティやラヴェルなど、大きく鳴ることがすべてじゃないよ、と教えてくれる印象派の作品が似合う気がします。

ご自宅に眠っている楽器に触れてみるもよし。久々に調律されてみてください。

手放してしまったりこれから始めたい人にはぜひ当店へ!

お気に入りの1台を選びましょう!!

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Written by
Misako Oda

ピアノクラウド白山

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