【ブランド紹介】ドイツの名器 ,JULIUS KEILWERTH(ユリウス・カイルベルト )
こんにちは、こんばんは、ごきげんよう。ブラステック白山の丸七です。
本日はサックスのブランド紹介のブログです。
日本ではツウな方を中心に人気の高いJULIUS KEILWERTH(ユリウス・カイルベルト)のサックス。
サックスにこだわりを持ち、富山、石川、福井で唯一のカイルベルト展示取扱店である当店ブラステック白山だからこそリコメンドしているメーカーの一つ。
実際にカイルベルト愛用しているスタッフが商品の紹介を行いますのでユーザーの目線からの紹介が可能です。
カイルヴェルトに興味がある。カイルヴェルトについて知りたい。
そんな方は是非一読ください。
目次
カイルヴェルトってどんなブランド?
セルマーやヤマハ、ヤナギサワなどの3大サックスに比較するとあまり知られていないカイルヴェルト。
その呼び名もさまざまで「カイルベルト 」「カイルヴェルト」「JK」「カイル」などいろんな呼び名でツウなサックス好きに親しまれています。
生産本数は3台メーカーほど多くなく市場にあまり出回らない、カイルベルト に詳しい楽器店員が少ないことから長いサックス経験を持つ奏者でも後存じないことも多々あります。
カイルベルトの歴史はサックス史の中でも長い歴史を持っており創業から100年近いドイツの老舗ブランドです。
機械生産と熟練の職人による仕上げをあわせて行い非常にしっかりとした作りをしておりドイツのものづくりの技術の高さを感じさせます。
サックスのデザインにおいても往年のドイツの名器たちを彷彿とさせる直線美を感じさせてくれるルックスです。
クラリネットやサックスで有名なフランスの老舗メーカー、あのBUFFET CRAMPONのグループとして傘下に属しており、ビュッフェ・クランポンのハイグレードなサックス”Senzo ( センゾ ) “の製造も手掛けております。
カイルベルト が製作を行うクランポン社の”Senzo” 独自の彫刻が目を惹きつけます。
カイルヴェルトを愛用しているミュージシャン
昔から変わらず職人の手によるハンドメイドの製作を行っており生産本数が既存のメーカーほど多くないことからサックスを演奏される方でもカイルヴェルトを知らない方がいるほどです。
吹奏楽、クラッシックでも東京佼成ウインドオーケストラの松井宏幸氏など使用されているプロアーティストもおりますが、多くは椎名林檎のバックミュージシャンを務めたSoil & Pinp Sessionsの元晴氏、デイブ・リーブマン、カーク・ウェイラムなどが使用しております。
JAZZやSMOOTH POP , R&Bのプレイヤーを中心に愛用されています。
著名な方をあげていくときりがありません。
カイルヴェルトの楽器の特徴
このカイルベルトのサックスの特徴といえば全モデルに共通する「メロウでハスキーなサウンド」のアイデンティティでしょう。
特にこのSX90R シリーズでは全てのトーンホールがロールドトーンホールを採用しておりタンポの当たるエッジの部分にエッジリングを取り付けております。( SX90シリーズのソプラノには採用されていません。 )
これがカイルベルト・サウンドの秘訣の一つです。
このエッジリングによってタンポの密閉製が高くなります。
またトーンホールの先端がベルのリムのように作用し、トーントールから出る音もしっかりと鳴ってくれます。
太くて奥行きのある響き、いわゆる「カイルベルト・サウンド」が生まれます。
また操作性の面でも工業国、ドイツらしい先進的な設計を感じさせる要素が多くなっております。
▼高さ調節の可能なパームキイ
付属品の専用にミニスパナでねじ式のパームキイを調整し奏者好みの高さに調整ができます。
コルクを貼り付けたり、パームキイライザーを使用したりする必要はなくなりました。
▼G#キイの貼りつきをゼロにするG#リフティングシステム
全サックス奏者が一度は悩んだことのあるG#キイがねちゃついて上がってこなくなる問題。
このSX90Rに採用されているシステムは左手小指で操作するG#レバーを押すと強制的にG#キイが持ち上げられます。
▼指にフィットする指貝
カイルベルトでは指貝に嵌め込みの型を使用しない独立した形状の指貝が使われています。
ブラックマザーオパールと呼ばれる黒い貝材を採用。
ヤマハやセルマーを使っている奏者から見ると指の貝に置いた時のフィット感は感動するものがあるかもしれません。
やや深めに削られた黒蝶貝は一度つかったらハマります。
▼見た人を惹きつけるルックス
カイルヴェルトは他のサックスメーカーとは違い「目でも楽しめる」という喜びが非常に大きいブランドでもあります。
豪華な彫刻、素材や仕上げを活かした管体やキイのカラーアンサンブル。
当店でカイルベルト をご購入のお客様は楽器購入前、そして後もカイルベルトのカタログを眺めセンセーショナルなルックスを楽しんでいる方がほとんどです。
サウンドだけでなく楽器のルックスまで楽しめる楽器はなかなかそう多くはありません。
カイルベルトは一度ハマってしまうと他のメーカーでは満足できなくなる。。
なんてことがよく言われます。
それくらい自信を持っておすすめできる逸品達です。
是非あなたもカイルベルト・オーナーの仲間入りをしてみませんか?
カイルヴェルトのモデルについてはこちらからご覧ください。
▼JULIUS KEILWERTHの歴史
1873
のちに成功を収める木管楽器ブランド〈ユリウス・カイルヴェルト〉の創設者である、ヨハン・バプティスト・カイルヴェルトがこの世に生を受けました。この時代、サクソフォーンは未だ発達途中の楽器でした。
1903
ヨハン・バプティスト・カイルヴェルトは、グラスリッツの木管楽器職人フィンツェンツ・リードルに弟子入りしました。
1908
ヨハン・バプティストはズデーテン地方(現在のチェコ共和国の一部)の木管楽器職人、フランツ・ザンのもとに移りました。 この地方の美しい渓谷は“Klingende Taeler”(共鳴する谷)と呼ばれ、様々な種類の楽器ブランドの発祥の地でもありました。 ヴァイオリン、ホルン、木管楽器、ハーモニカ、アコーディオン、そして玩具までもがこの地で多く生産されていたのです。
1914
ヨハンの息子、ユリウス・カイルヴェルト(1894-1962)は、1900年にサクソフォーンの製造をいち早く始めた〈V. F. Kohlert& Sons〉で働き始めました。 第一次世界大戦の兵役後、彼はクラリネットの製造職人フレデリック・シマーのもとで、楽器の製造に携わりました。
1920
ヨハン・バプティストは、自営業でのクラリネット製作を開始しました。彼の四人の息子、ヨーゼフ、リヒャルト、ユリウス、マックスもまた木管楽器製造の技術を学んでいます。ユリウス・カイルヴェルトは、マルクノイキルヒェンでサクソフォーンを製造していた、アドラーから得た部品でサクソフォーンを組み立てる仕事を請け負っていました。
1925
この年、〈ユリウス・カイルヴェルト〉ブランドが設立されました。質の高い製品は大成功をおさめ、1930年にはグラスリッツに新しい工場と自宅を建設しました。1937年まで猛威を振るった経済大恐慌にもかかわらず、〈ユリウス・カイルヴェルト〉は事業を拡大し続けました。
1938
〈ユリウス・カイルヴェルト〉の工場はドイツ最大のサクソフォーン製造工場となり、雇用者は150人にものぼりました。記録では、2024本のサクソフォーンが22の国に輸出されています。
1945
第二次世界大戦のドイツ敗戦により、旧チェコスロヴァキアに居住していたドイツ人は、土地も家も奪われ強制的にズデーテン地方からドイツへと追放されました。歴史上最大級の民族移動ともいえる、1600万人もの難民が事実上何の通達もなしに、手で持てるだけの所持品のみを持ち、住み慣れた地を去る事を余儀なくされたのです。非常に困難な時代で、もともとドイツに住んでいた住人はすでに飢え、おびえきっており、自国へ流れ込んだ難民達に強い拒否を示したのです。 ドイツ人難民達は、まず居住区が必要でした。家族が再び集い、職人達がお互いを探し出し、そして楽器製造を再開するための工場を立ち上げる過程の前には、安定を取り戻さなければなりませんでした。 いくつかの楽器製造会社は、バイエルン州に設立されました。しかし多くはフランクフルトの近くのナウハイムに集中していました。 またこの影響で楽器産業は、イギリス、スウェーデン、オーストリアにも派生したのです。
1946
ユリウス・カイルヴェルトとその一家はナウハイムに移住しました。まず楽器の修理業を始めるにあたり、パン屋の洗面所を仮の作業場としました。 〈ユリウス・カイルヴェルト〉は、新しく1947年1月19日に登記され、その2年後には新しい工場と自宅が建設されました。約80人の職人がこの新しい施設で働いていましたが、そのうちのほとんどはグラスリッツ時代からの古い雇用人たちでした。 ここでは、サクソフォーン、トランペット、トロンボーンが生産され、またあらゆる管楽器の修理も行なわれていました。
1962
会社を創立したユリウス・カイルヴェルトが68歳で死去しました。グラスリッツの音楽学校で学び、木管楽器製造の技術を父の工場で習得した息子のヨーゼフが、〈ユリウス・カイルヴェルト〉ブランドの後継者となりました。
1965
〈ユリウス・カイルヴェルト〉は、アメリカの演奏家、作曲家、そして楽器製造販売者でもあったハーブ・コーフとの提携を始めました。ハーブとヨーゼフ・カイルヴェルトは、この後1987年まで続く同意書にサインをし、これにより〈ユリウス・カイルヴェルト〉は、米国市場向けに設計された仕様のサクソフォーンを〈ハーブ・コーフ〉のために製造しました。 これらのモデルは“H. Couf Superba I”、“Superba II”、そして“Royalist”として現在でも知られています。 数年のうちに〈ユリウス・カイルヴェルト〉のサクソフォーンは、最高峰の楽器として奏者達に認識されるまでとなり、1965年には5万本目となるサクソフォーンが販売されました。 その後1970年には〈ユリウス・カイルヴェルト〉は、サクソフォーン製造に特化したブランドとなりました。
1989
〈ユリウス・カイルヴェルト〉はブージー・アンド・ホークス・グループの一部となり、ヨーゼフの二人の息子 ゲルハルトとヨッヘンの下、40人の職人が働いていました。 この年には“SX90R ”サクソフォーンが市場に紹介されました。
1996
〈ユリウス・カイルヴェルト〉“SX90R”テナー・サクソフォーンが、ドイツで最も権威ある音楽誌、FACHBLATT誌の読者投票「最も愛された木管楽器」部門において、一位を獲得しました。
2015
「永遠の情熱」と「革新への挑戦」。 2015年、〈ユリウス・カイルヴェルト〉は90周年を迎えます。
当店の管楽器販売員は全員技術者
お客様の元へ楽器が納品されるまでのプロセスを一部動画にいたしました。
日々、真心を込めてサックスの整備/調整を行っております。
ブラステック白山