ピアノをいつまでも大切にお使いいただくために

ピアノを長く大切にお使いいただくために・・・

～調律師　河岸さんにいろいとろお話お聞きしました。　その第２弾です！

店頭のピアノの調律に来られた河岸さんにお時間をいただき、お話をお聞きしました

宮田：調律のお忙しい所、少しだけお時間いいですか？

　　　最近　お客様のところに調律にお伺いして、何か気になることってありませんでしたか？

据き置型やスプレータイプの空気除菌グッズにはご注意！！

河岸：そうですねぇ、いろいろとあるのですが、最近　気になることは、やはり新型コロナウイルス対策のことですかね。

宮田　例えば　どのようなことですか？

河岸　新型コロナウィルス対策として、置き型（室内においておく）やスプレータイプの除菌用品ってありますよね。

　　　実は　あれがピアノに良くないんです。

宮田　えっ？　どうしてですか？　我が家にも置き型の除菌用品ありますよ？

河岸　その空気を除菌するタイプの除菌用品には　「二酸化塩素」を含んでいる商品があるのですが、

　　　その「二酸化塩素」は金属を腐食させてしまう欠点があるので、

　　　「二酸化塩素」を含んだ除菌グッズはピアノのそばに置かない方がいいです。

宮田　そうでしたか、弦とか金属の部分がさびてしまう可能性があるのですね

　　　（すべての除菌グッズに「二酸化塩素」が使われている訳ではありません。ご確認お願いします）

　　　他には新型コロナウィルス関連で気が付いたことってありませんか？

鍵盤の除菌には鍵盤専用　除菌グッズを

河岸　これはインターネット等でも十分に言われていることで、今更という気もするのですが、

　　　鍵盤の清掃にアルコールを含んだ除菌剤は厳禁ですよね。

　　　ケミカルクラックというのですが、鍵盤（樹脂製品）に薬品(洗剤など)が付着し、

　　　そこに力が加わると　樹脂内部まで浸透し、その部分に亀裂が生じたりします。

　　　学校のピアノなんかでは、そういった症状がみられる場合が多いですね

宮田　ケミカルクラックですか。初めて聞いた言葉です。

　　　鍵盤は指で弾くところですから、当然　力も加わりますよね。

　　　ここはやはり、鍵盤楽器専用のクリーナーをお使いいただきたいですよね

鍵盤用クリーナーのご紹介

宮田　　その他、新型コロナウィルスに関係なくても何が気になったことありませんか？

ピアノにホコリは大敵

河岸　錆の話が先ほどでたのですが、弦の錆の大敵はホコリですね。　

　　　長年使っているとホコリが弦の上にたまって、それが空気中の湿気とあいまって錆びてしまいます。

　　　よく見られるのは、弦の上半分（ホコリがたまった部分）は錆びているけど、下半分はキレイなままといった場合があります。

　　　　やっぱりホコリが錆びの原因の一つだと思います。

宮田　ご自宅でなかなかピアノの内部の掃除までは難しいので、使わないときは大屋根・鍵盤蓋をしめておくとか、

　　　場合によってはカバーをかけるといいたことも効果的かもしれませんね。

　　　でも　後は毎年必ず調律師さんにピアノの調律＝健康診断をお願いすることですね

グランドピアノをお使いのかたに（ちょっとした工夫を）

河岸　グランドピアノを弾く時って　必ず「前屋根（大屋根の前の部分）」を開けて（向こう側に倒して）演奏しますよね。

　　　そうすると、前屋根と大屋根の部分が接するのですが、その部分が演奏の振動でこすれて傷になります

宮田　どの部分ですか？

河岸　この部分です。わかりにくいですが白っぽくなっているでしょう？　ここが二つの屋根がこすれて傷になった部分です

宮田　そういえばこの部分　白っぽく（傷）なっているピアノ　よく見かけます。

　　　これって　何かいい対策はないんですか？

河岸　このように前屋根を倒した時に　大屋根との間に「キーカーバ」か何かを挟んでおくと傷にならないと思います

　　　でも、お客様によっては、そうすると響きが変わるとおっしゃる方もいらっしゃるのですが、

　　　僕はそうした方がいいかと思います。

宮田　本当ですね。

　　　今日は　調律のお忙しい時間にいろいろとありがとうございました。

　　　またみなさんにお伝えしたいこと、調律にまわっていて気が付いたことありましたら、ぜひお聞かせ下さい。

• ①楽器
• ④修理・整備
• blog