2024年度ピティナ富山支部 総会を開催。そして講演が充実!
こんにちは、
ピアノクラウド富山の吉田です。
今日は、3月18日に
私たちが事務局になっている
ピティナ富山支部の総会がありましたので、
その様子を少し・・・。
10時から開始。
支部の動き
事業報告
収支報告
次年度事業案
各委員会からの案内

優秀指導者賞の表彰と進行。

事業報告や収支報告、そして次年度の事業案などが承認され閉会。
少しの休憩を挟み、
今回は、本部にも相談にのっていただき、オンラインで三つの講演を企画しました。とても充実した内容だったので、その一部をご紹介します。
①ピティナ本部提案 中津美和様より

“総合学習型コンクール” の打ち出しの背景

コンペの歴史から始まり、その目指すところを端的に。「レジリエンス」=主体的に学び、根気強く演奏を磨き、そしてどんな結果も受け止める。自分の力ひとつを信じてステージに向かうピアノ学習者を応援していく姿勢をわかりやすく解説していただくことで、生徒さんに自身をもって薦める根拠を再確認できました。
②広島中央支部 沢田菊江先生 講演

『コンペで生徒とピアノの距離を縮めよう!』
~ コンクールの目的は入賞させることですか?~
私はコンクールを通して生徒も保護者も、ピアノとの距離がぐんと縮まることが1番の願いです。そのためには?
冒頭の沢田先生 「皆さんはどんな生徒さんにコンクールの声がけをされますか? 上手な子、きちんと練習してくる子、お母さんが熱心な子etc 。 私は “この子を変えたい!” と思った生徒に声をかけます」

「つかれた!」「むずい」を連発する年長のMちゃんのコンクールに参加してからのビフォーアフター。相対評価ではなく絶対評価で生徒さんの成長に寄り添う姿勢が伝わてきます。
また、受験のため高2でコンペを卒業する、と言っていた2人の生徒さんが、3月になったら (高3になるけど )”やっぱり出る” と言い出され、進学先もピアノサークルがある大学を検討されているとのこと。コンクールは競うものではなく、豊かな人生に直結している事例を紹介していただきました。
そして


無限の可能性を秘めた子どもたちのためにも、指導者はポジティブでありつづけましょうよ ♪♪
と導いて下さいました。
③ピアニスト中瀬智哉さん講演

Wikipediaで中瀬智哉さんを検索すると、その”人物”の項目には「曲の背景や歴史、作曲家の思いやプロフィールを知ることが好きで、必ず勉強してからピアノに向かう」とあります。また特別レッスンの部屋で聴講していると「”弾く”以外の勉強もしましょう」というアドバイスを何度も聞いてきました。”コンペで身につく6つの力♪”から「調べる」「考える」に該当するので中瀬さんに「富山の次の世代の発展のために鍵盤に手をのせる前にしていることを話していただけませんか?」と打診したところ、「僕はまだ未熟な学生ですが少しでも役立てるなら・・・」と謙虚に引き受けてくださいました。中瀬さん、本当にありがとうございます!
『作品について調べる・考える』
「僕は出会った作品について調べたり考えたりすることがとても好きです。なぜなら、作品をより深く知ることで新たな魅力に気付き、演奏することがより楽しくなるからです。先日、雨晴海岸というところに行ったのですが、富山湾越しに見る立山連峰が絶景でした。

そこで雨晴海岸を調べてみたところ、冬の朝は『気風(けあらし」)』が発生し、また違った姿を見せてくれることがわかり、翌朝行ってみると、

日中とはまったく違う表情の幻想的な風景を見ることができ、この海岸がさらに好きになりました。作品も風景と同じで調べることでまた違った魅力に気付くことができると思うのです。 ~後略~」
このあとも中瀬さんの講演は続きます。
ご自身がピティナのC級にチャレンジした時の曲、シューマン作曲 『愛しい五月よ もうすぐお前はやってくる』について、真っ先に題名に疑問を持ったこと、その他にも作品や作曲者に疑問を投げかけ、調べ、考え、それに先生のアドバイスと自身の体験を重ね合わせ、想像し、自分にしかない曲のイメージを作る・・・なぜなら演奏するのは自分自身だから。

・・・そして、最後に
「今年の課題曲が発表されました。新しい作品と出会った子どもたちが先生と調べて考えることでより作品の魅力に気づいて、個々の想像力と作品を組み合わせて音楽と向き合うことを楽しみながら練習することができたら最高に素敵なことだなと思います」と結んでくださいました。

簡単にまとめてしまいましたが、当日は他にも色んなアプローチやそれに寄り添う先生の存在の大切さなど、無駄なく、隙なく、見事に流麗に構成されています。実は、事前に中瀬さんから「そんなに長く話はできません」と言われて・・・質問コーナーで膨らまそうか、といくつか用意していたのですが、質問する隙がない。それくらい簡潔でありながら緻密で、その上、美しくさえあります。・・・! その理由がわかりました。 雨晴海岸の魅力は ”序奏” 、今年のコンペに参加する子どもたちに送るエールは ”coda” 。もちろん、その間には、提示部・展開部・再現部があり・・・そう、中瀬さんは講演は ”ソナタ形式” になっていたのです!
ご承知とは思いますが、この年の中瀬さんの演奏は今でもYouTubeで視聴することができます。

どうぞ 『中瀬智哉 C級』 で検索してみてください。私はこの日、車の中と家で『愛しい五月よ もうすぐお前はやってくる』を5回くらい聴き直し・・・聴きながら・・・近い将来、本部主催 課題曲説明会の講師に指名されるのでは? と期待せずにはいられませんでした。
皆さん、お忙しい方ばかりなのに、富山支部とその生徒さんのために時間を割いて下さり、おかげさまで年度初めに相応しい支部総会になりました。
富山支部 今年も 明るく、仲良く、生き生きと、前に進みます。
では
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