楽器工房~ティンパニ修理の陣~その弐
昨晩より雷が鳴って めっきり北陸の冬らしく寒くなってきました!
寒さに負けずに皆さんアンサンブルに、個人レベルアップにと
K玉が普段対応していますティンパニの修理の紹介です!
前回のヘッド交換は平成21年の5月でした。約5年半前ですね。
一般的なべダルティンパニですが、ペダル部分は張られているヘッドの張力と
ペダル部に組み込まれているバネとの張力のバランスで動きが
保たれています。
長年使い続けていくとヘッドが伸びきってしまい、「ペダルが勝手に
動いてしまう」等の症状が出てきて、ずっとペダルを足で踏みながらでしか
演奏出来なくなってしまって、音変えどころではなくなってしまいます。
さっそく作業に取り掛かりましょう!まずは今の現状をしっかり
音程は正しく出ているか?ペダルの動作は正確か?等のチェックをします。
確認できたら、さあフープをはずしていきます。
ケトルのエッジに張られていた、エッジテープも交換するため
きれいにはがしてきます。
ケトルの凸凹やキズもきれいに修正していきます。
ちっちゃな凹も見逃さないよう気を付けながらの修正です。
全部のケトルをはずして、並べてあります。
これだけ見ると、本当に学校給食で使っているようなお釜ですね。
作業中に一般生徒たちが通る人全員「なに?これ??」って言いながら
通り過ぎて行きました(笑)
骨組みだけになったティンパニは、少し寒そうです(笑)
さあ!ここからが一番大変な作業の開始です!
分解した本体部分のあちこちにたまりにたまった、ホコリやごみの
掃除です(汗)
汚れのひど所は、かたくしぼった雑巾できれいにふきあげていきます。
こんなモノまで(黒板なんかにくっ付ける磁石ですね)出てきちゃいました!
本体の裏側、下部のペダル可動部もきれいにします!
クリーニング前↓と後の違いを見てください!!
クリーニング後です↓ご覧の通りきれいになりました!!
こんなにティンパニからゴミが出てきます!
分解して上から下まできれいにした後は、本体の各部の
ネジなどでゆるみ等が無いか、すべてチェックと修正をしていきます。
ゲージワイヤーもしっかり固定します。
あらたにエッジテープも貼り付けて、ここまで完成しました!
ここまでの作業で、ほぼ午前中が終了です。
新しいヘッドをセットのみして、次の作業にかかります。
ヘッドフープを固定する、テンションボルトもこんなに汚れています。
こちらもしっかりと、汚れと一緒に古くなったグリスやオイルを除去して
キレイにしていきます。
やっとここまで来ました!
ヘッドをセットしてフープも取付して、まずはザックリとヘッドの
張っていきます。
さあ!仕上げの段階です!
一台一台丁寧に時間を掛けて、丁寧にチューニングをしていきます。
もちろん交換したばかりのヘッドは伸びやすいので、慎重に
時間を掛けて作業を進めていきます。
まるまる一日掛けての作業が、やっと終了です!!
経験上、夏のコンクールシーズン前でのヘッド交換修理のご依頼を
いただくケースが多いですが、やはりヘッドは「生き物」なので
落ち着くまでにかなり時間がかかります。
練習スケジュールも過密で、繊細なヘッドの調整に労力を割かれたり
また気温が高い夏の時期では楽器本体もヘッドも変化が激しいのが現状です。
ある程度季節が安定している時期や、しっかり時間の余裕が
ある時期のヘッド交換が特にお勧めです。
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