【Black Smoker】SIGMA 徹底解説!
長野県の安曇野市穂高にその工房を構えるBlack Cloud。
2016年に立ち上げられたBlack Smokerブランドは、シニアビルダーの黒岩真一氏と、彼が絶大な信頼をおくマスタービルダー柳澤俊氏のたったの2名で組み立てられています。
究極といえる少数精鋭の体制、一般的に小規模の工房であれば修理依頼などと並行して楽器製造を行うことがほとんどの中、Black Smoker Guitarの製造一筋で経営を成り立たせているというのも同ブランドの注目すべきポイントです。
様々なミュージックシーンで最高のパフォーマンスを演出させる
あなただけのギアーとして我々の提案出来る究極の1本を。
黒岩 真一 氏
1989年より国内大手ギターメーカー勤務。
技術職として大手キターブランドのOEM製品制作、海外への技術指導。
マスタービルダーとしては国内外のプロミュージシャンモデルやショーモデルの 制作など、数多くのギター製作を手掛ける。
2015年国内大手ギターメーカーを退社後、同年、Black Cloud Guitar Prod, INCを起ち上げる。
現在まで関わった本数は190万本を超える。
柳澤 俊 氏
1983年長野県生まれ
2006年より国内大手ギターメーカー勤務。木工~組立に9年間従事しギター製作を手掛る。
2015年国内大手ギターメーカーを退社後、同年、Black Cloud Guitar Prod, INCに合流。
現在のBlack Smokerの企画及びデザイン全般の業務を手掛ける。
経験豊かな二人の職人によってビルドされる日本屈指のハイエンドギターブランド「Black Smoker」、
こちらの記事では新たに入荷したWhite Guitarsショップオーダーモデルをご紹介するとともに、
数多くのミュージシャンを虜にするBlack Smoker Guitarの魅力に迫ります。
SIGMA SSH Trad Master – Black Heavy Aged
汎用性に長けたSIGMA SSHのTRAD MASTER SERIES、長年使い込んだかのような質感を演出したヘヴィエイジドを施しています。
モダンなセンスのフィニッシュカラーが多いBlack Smokerの中で、敢えて古典的なブラックカラーをセレクト。
オールラッカーフィニッシュも相まって、実際にヴィンテージにありそうな質感でありながら、現代的な操作性を狙い仕様をセレクトしました。
秀逸なバランスのBlack Smokerオリジナルピックアップ
Black Smoker Original SSH Setを搭載。
ピックアップレイアウトの「SSH」は一本のギターでハムバッカーとシングルコイルの両方の持ち味を活かせるため、万能的なサウンドメイクが可能です。
多彩なジャンルの楽曲を一本でこなせるオールマイティさからとても人気のある仕様です。
Black Smokerのピックアップは製造のロットごとにマイナーチェンジを繰り返してブラッシュアップを重ねているとのことで、その完成度はピカイチ。
ピックアップポジションそれぞれが個性を発揮した”現場で使える”サウンドで音楽的な感性のバランスの上に成り立っている印象です。
異なる種類のピックアップでありながら音量差や音質差があまり気にならないのは、熟練の技術が生む秀逸なセットアップの為せる技でしょう。
こちらの動画では、このギターの各ピックアップのサウンドをお聴きいただけます。
ステンレス製ジョイントプレート
黒岩氏がBlack Smokerのあるべき絶対条件と語るステンレス製のジョイントプレート。
ハイフレットでの演奏性を高めるようにヒールカットされた形状も特徴的です。
堅くて歪みにくいステンレスの恩恵によって、ボディとネックの接合部がぴったりと合わさっています。
丈夫なプレートによる面でのジョイント構造と、それを熟知した最適なセットアップによって、楽器全体の一体感のある鳴りに繋がっています。
ジョイントネジもステンレス製で錆びることはありません。
極薄のオールラッカーフィニッシュ
TRAD MASTER SERIESの最たる特徴である、極薄に仕上げられたオールラッカーフィニッシュ。
露出した木部と塗面との段差を見る限り、非常に薄く仕上げられているのが判ります。
ボディ全体にびっしりと細かくクラックが入り、長年をかけて使い込まれたかのような見事なルックスです。
極薄の塗装は音響的にもメリットがあり、ダイナミックに振動するボディとネックはポリ塗装のギターとは別次元。
ラッカー塗装のギターは使い込むことでさらに育っていく特性もあり、そのポテンシャルはリアルヴィンテージに匹敵します。
「弾きやすいセットアップ」のこだわり
指板ラジアスは305R、フレットは程よく高さがありクリアな音像と押弦のしやすさを両立したミディアムジャンボを採用。
前述のジョイント部のヒールレス加工など、その基本的な仕様からも高次元のプレイアビリティとして表れています。
SIGMA SSP94 – Kings Red Metallic Matte
P-94タイプのリアピックアップが特徴的なSTANDARD SERIESのSIGMA、
オリジナルのカスタムカラーである「Kings Red Metallic」を採用しています。
SSHならぬ、SSP94のピックアップレイアウト
リアピックアップにP-94(ハムバッカーサイズのP-90)を搭載しており、通常のシングルコイルよりハイパワーであり、ハムバッカーほどファット過ぎない、絶妙なバランスの良い音色が特徴です。
リアポジションはハムバッカーサイズで木部のザグリやピックガードが加工されておりますので、将来的にピックアップを載せ替える際には、幅広い選択肢を残しているのも嬉しいポイントです。
センターピックアップはリバースワインド仕様で、
フロント&センター、センター&リアのミックスポジションではノイズキャンセルの効果が得られます。
シビアなレコーディングの現場や、静かなバラード曲の演奏といった、ここぞという時に便利な機能です。
オリジナルカラー「Kings Red Metallic」
本器をまさにワンオフたらしめているのが、新たに考案されたオリジナルカラー「Kings Red Metallic」です。
ギターの塗装を歴史的視点からひも解くと車の塗料を用いた方法が数多く出てまいります。
そこで、現代の車のカラーで美しいものは何か、Black Smoker Guitarに落とし込み惚れてしまうようなカラーとは何か、、、
そういった経緯からとある欧州車から拝借し、こちらのカラーを製作するに至りました。
都会的で洗練されたメタリックカラーをマットな質感で仕上げられ、ステージ上での華やかさを演出するパーロイドのピックガードに、安っぽさを感じさせないヴィンテージホワイトの樹脂パーツでコーディネート。
ありそうでなかったオリジナリティのあるルックスを体現しています。
STANDARD SERIESの塗装の特徴として挙げられるのが、ネックはラッカーのサテンに仕上げ、ボディはウレタンによるフィニッシュがなされている点です。
オールラッカーフィニッシュのTRAD MASTER SERIESと比較して、ネックフィニッシュはいずれもラッカーを採用していますが、その質感や色味にも明確な違いが見られます。
ポリウレタンフィニッシュのボディは、より引き締まった響き方が特徴で、前に前に迫りくるような存在感のあるサウンドがANDARD SERIESの持ち味と言えます。
快適な演奏性のネックの仕上げ
Black Smoker Guitarの丁寧な木工の仕上がりは、長年ギター製作を手掛け続けるマスタービルダーの黒岩氏の経験あってこそ。
木工加工全般を黒岩氏が担当しており、その完成度はまるでルシアーメイド、個人製作家のクオリティと並びます。
中でも特にネックグリップのフィーリングが秀逸で、オープンポジションからハイポジションに至るまで非常になめらかな仕上がり、フィンガリング時の抵抗感はまるで皆無です。
一本一本のネックをハンドシェイピングで丁寧にその形状を作り上げられます。
ネック裏の塗装はSTANDARD SERIESではさらにすべすべとした仕上げとなっております。
今回は、当店にてストックしているBlack Smokerのギターを紹介させていただきました。
写真だけではお伝えしきれない本器の魅力を、ぜひ店頭にてお確かめくださいませ!
White Guitars