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【レビュー】dragonfly d-fly BD666 STL648

2019/07/26 05:46:10

6月よりRock LabelからこちらMPC VanVanに来ました吉田です。

本日は「dragonfly」のセカンドラインとして登場した「d-fly」をご紹介いたします。

dragonflyとは

ご存知の方も多いとは思いますが、そもそもdragonflyは恵比寿に拠点を構えるハリーズエンジニアリングによるギター/ベースブランド。使用アーティストには Pabro 氏(Pay Money To My Pain)、 彰 氏(UVERworld)、Toru 氏(ONE OK ROCK)、ミヤ 氏(MUCC)、 玲央 氏(Lynch) など。ラウドシーンを代表するギタリストがライブ/レコーディング問わず愛用している、最前線のギタリストに認められるギターブランドです。 昨今では666(トリプルシックス)mmスケールのギターの代名詞にもなっています。

dragonflyには基本的にカタログモデルが存在せず、ほとんどがカスタムメイドのワンオフや希少な使用材で製作できる数本のみに限られています。

こちらは極上のフィギュアドメイプル材を使用した dragonfly Sottlile Custom 648 Figured Maple

クオリティも間違いないものになりますが、プライスもやや高価になるのも事実。そのため 幅広いギタリストからの要望に応える形でセカンドブランド「d-fly」がスタートしました。

d-fly プロも信頼するクオリティをそのままに、20万円台というコストパフォーマンスの秘密とは

音響特性に主軸を置いたマテリアルの採用

dragonflyのカスタムオーダー品では、豪華なフィギュアドメイプル材やバール材、指板にもエキゾチックウッドを採用するものも多いですが、d-flyでは主にトップ材を廃したスペックを採用することで木材でのアップチャージを発生させていません。

ただし、dragonflyよりもグレードの低い材を使用しているわけではなく、音響特性や品質は確かな材を使用することで、dragonflyと同様の品質を保っています。

生産本数を増産

スペックを固定し、木材やパーツをまとめ仕入れや、製作フローを一元化することでの効率化を図ることでコストダウンを実現しています。

こちらも製作を手抜きすることとは異なり、作業を効率化させるチームビルド体制によるハンドメイドを基本としています。

とにかくプロクオリティのdragonflyによる唯一無二のスペックにもかかわらず20万円台という待望のシリーズなのがこのd-flyです。

それでは金沢に初上陸したd-flyの代表機種2モデルのレビューです。

d-fly BD666 African Mahogany

dragonflyのフラッグシップモデルBorder(ボーダー)のd-fly版。

その名が示すとおり、当然スケールには666mmのエクストラロングスケールを採用し、アフリカンマホガニー特有の濃密なミッドとダウンチューニングの組み合わせはラウドロック~メタルコアなどモダンハイゲインとの相性は抜群です。

ダウンチューニングへ対応する666mmスケールの恩恵

Fenderを代表とする通常のロングスケール648mmより18mm長いスケールがdragonflyを唯一無二な存在に押し上げました。たったの18mmという印象かもしれませんが、1弦のゲージ.009と.010の差、僅か0.0254mmでもその違いを感じ取るギタリスト達にとってはこの差は非常に大きいことは想像に難くないでしょう。

ファクトリープリセットで 弦のゲージは10-46の全弦1音下げチューニング。その状態でテンション感はロングスケールでのレギュラーチューニングくらいしっかりあります。当然ドロップCやBまで下げても、しっかりとしたテンション感を保っています。6弦ギターでもAやG#まで下げるバンドもいますが、極太弦ならずとも少しゲージを上げるだけで難なく対応できそうです。

また、テンション感を保っているのでピッキング時に弦の振幅が暴れづらく、ピッチも安定することも特筆点です。サウンドにも芯と倍音感のバランスの良さを感じます。

錆びや磨耗に強いクライオ処理が施されたステンレスフレットによる恩恵はサウンドにもあり、特にマホボディの本機には立ち上がりの早さもプラスされる、太さと抜けの良さを兼ね備えた理想的なサウンドを体現しています。



ピックアップにはdragonflyオリジナルのシングルコイル dfs-1/1Rとハムバッカーのdfh-5Bを搭載。マホボディ&シングルコイルのコンビネーションもなかなか特異ですが、クリーンのサウンドでも、ノイズレスかつ輪郭がしっかりした魅力的なクリスタルトーンはラウドシーンにも順応するクリーントーンです。

コントロールはハーフトーンも出力可能な5-wayPUセレクター。もうひとつはdragonflyにもほぼ標準搭載されるHi/Loパスコントロール。センタークリックを起点(一般的なギターのトーン全開の状態)とし、反時計回りが高域を削る一般的なトーンコントロール、時計回りが低域を削るコントロールとなります。大所帯バンドや歌モノにも適応できるほどの幅広いサウンドメイクを可能にしています。



ネックはサラッとしたサテン仕上げで癖のないUシェイプ。ハイポジションでの演奏感も良く、ハイポジションでも伸びのあるトーンを紡ぎます。フレットもやや大きめで程よいコンプ感と、容易な押弦が可能でテクニカルなスタイルにも向いています。



サウンド

d-fly STL648 Alder Matt Black

35mm厚と通常のギターより10mmほど薄いボディを採用している Sottile(ソッティーレ) のd-fly版。

約 2.8kg という軽量ボディを実現しており、アグレッシブなパフォーマンスのライブバンドにもおすすめです。

トーンコントロール、ステンレスフレットなど、前述のBD666と同一のスペックを有しますが、本機は648mmのロングスケールなどキャラクターはハッキリ異なります。

アルダー材の軽量ボディがサウンドにも影響しており、ダウンチューニングでもたつきがちなローの成分がカットされる点や、ツインギターでの上モノのフレーズを担当するなど、バンドアンサンブルに馴染みやすいサウンドが狙いやすいと言えます。

ブリッジにはHIPSHOT製のハードテイルブリッジを採用することでよりタイトなサウンドとなり、速いフレーズやミュートを多用するフレーズにも対応できます。BD666がメタル寄りなら、こちらのSTL648はややdjent寄りなサウンドといった印象です。

くせのないUシェイプネックに加え、薄型ボディはハイフレットでの演奏性もより高く、ストラップを短めに高く構えても映えるギターです。

以上d-flyのレビューでした。プロ級のヘヴィサウンドをお求めの方におすすめです。

そのほかスペック詳細は各ページご覧ください。

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