地震対策

2023年5月11日

こんにちは。MPCピアノメンテナンスの加賀谷です。

先日、石川県能登地方で大きな地震がありました。私は震源地からは離れた金沢市に居ましたが、それでも震度4で、かなり揺れました。

突然のことなので、どうしたら良いか、一瞬戸惑いました。

日頃から地震対策は必要だな〜と思いますが、ピアノの地震対策グッズは、非常に高価で設置に躊躇しがちです。

ネット上にもいろんな商品が掲載されていますが、なかなか特徴を理解する事は難しいと思いますので、特徴も踏まえてご紹介致します。

ピアノは200kg程度から400kg超えと非常に重い楽器。

重い物体は、重力でそこに居続けようとする力が強く、普通のインシュレーター(ピアノのキャスターで床を傷つけないようにする丸いお皿)を敷かれた縦型ピアノは簡単には動かす事は出来ません。

そのために横揺れが起きた場合、前後にゆらゆらと揺れはじめて、まず壁側に転倒します。そこから壁から跳ね返ってさらに前側に傾き、運が悪いと前面に転倒します。

この横揺れによる転倒を防ぐ商品がいくつかありますが、そのうちの一つに『ピアノシュレーター』というものがあります。

当社で一番売れている定番のフローリング用のインシュレーターです。私も愛用してる商品です。

特徴は、床に接触する裏面にフェルトが貼られており、横揺れに強いというところです。

さらにキャスターがスッポリ収まるほど深さがあり、通常の樹脂タイプや木製タイプよりも縦揺れ時に外れ難い構造になっています。

では、何故横揺れに強いのでしょう?

身近にある現象で例えるなら、テーブルクロス引きが思い浮かびます。

滑りやすいテーブルクロスの上に水の入ったコップやワイングラスを置き、素早く手前に引き取ります。

水の入ったコップは、テーブル上に残り、テーブルクロスのみを取り除く事が可能な現象です。

水の入ったコップの重量と、摩擦の少ないテーブルクロスで慣性の法則をうまく利用した芸当ですね。

ピアノシュレーターはこの慣性の法則を利用した商品です。

素早く床が動くと裏面のフェルトのおかげで床から滑り、一緒には動きづらく、転倒に至りづらくなります。

ただし、縦揺れによりインシュレーターから飛び出してしまうほどの大きな揺れに遭遇すれば転倒してしまう可能性があるでしょう。また、水平な床に対しての効果なので、地震時に床が陥没したり傾いても同様に効果は発揮出来ないでしょう。

それでもこのような商品で少しでも地震の被害が少なくなるといいですね。

あ、そうそう、一番大事なことをっ書き忘れていました。

いくら地震対策していても、地震時には絶対にピアノから離れてくださいね。

時々、グランドピアノの下は?と聞かれますが、グランドピアノの下に隠れるのも危険です。足柱が折れた場合300kgにも及ぶピアノの下敷きとなってしまいますので、できるだけピアノから離れましょう。

またピアノ用グッズ、便利グッズご紹介して行こうと考えています。ご覧頂きありがとうございました。