グランドピアノC7の整備

2022年5月17日

MPCピアノメンテナンスの安田です。

ヤマハグランドピアノC7を整備しました。

1981年製。このあたりからヤマハグランドピアノのペダルは徐々に2本から3本になっていきます。このピアノも3本です。

コンサートグランドピアノは1967年から製造されているCFから3本になっています。最も普及しているC3シリーズは1990年あたりから3本なので、大きなピアノから3本になっていったようです。

この3本目のペダルはソステヌートペダルと呼ばれるペダルです。弾いて踏んだらその鍵盤だけ音が止まらなくなります。

使われることはあまり無いと思いますが、ピアノの響きを意識して使うと良い効果が得られます。よく知られた使い方としてはドビュッシーの沈める寺でしょうか。普通にダンパーペダルを踏むよりも倍音がきれいに残るのでソステヌートペダルを使うピアニストは多いようです。

実際に楽譜に指示が書かれている場合もあります。有名な曲はサミュエル・バーバーのピアノソナタ。終楽章のみsostenuto ped.の指示があります。ただ、けっこうテンポが速いのでうまく踏むのは難しい気もしますが。

いろいろ整備をしました。弦の跡が付いたハンマーは整形して形を整えました。

変色した白鍵前面は全て貼り替え。

鍵盤の動きを調整。

ダンパーは汚れを落としてから取り付けて調整。

厚みの異なる紙を複数枚鍵盤下に入れて鍵盤の高さを揃えます。他の調整も全て見直しました。

C7の全長は2m23cmなのでかなり大きいですね。全体のサイズだけではなくアクション(打弦機構)のサイズも大きく、C1,C3と比べるとタッチにけっこう差があります。機会があれば是非弾き比べて頂きたいと思います。