巻線のお話②

2022年5月16日

こんにちは。MPCピアノメンテナンスの加賀谷巌です。

大変お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。今回は予告通り、ベース弦の、ちょっと怖いお話です。

ピアノの弦は1本につき約90kgの張力(引っぱる力)が常にかかっています。

そして20年後なのか50年後、100年後なのかはわかりませんが、いつかは切れてしまいます。

そこで問題です。ピアノの弦(ベース弦じゃないところ)って切れるとどうなるのでしょう?

ほとんどの国産ピアノは写真の様に張られています。隣の弦と繋がっています。殆どの芯線は切れてもどちらかがチューニングピンに繋がっていますので、飛んで行くことはありません。(一部例外のピアノもあります。)

そこで前回に話しは戻って、ベース弦(巻線)は切れるとどうなるのでしょう?

切れますと、ダーーン!!!という破壊音と共に一瞬で演奏者とは反対側に飛んで行きます。(ほとんどの場合)

パーチクルボードなら突き刺さるほどの勢いです。

切れたベース弦
ピアノの奥側からベース弦を眺める位置

どうですか?実はこのアングルが一番怖くないですか?

大屋根全開で低音域の調律中はこの写真の方角には絶対居ないでくださいね。

まあ、滅多に切れる事はないのですが、古いピアノは気を付けたほうがいいですね。

そこで!!最近のヤマハグランドピアノには、弦飛び防止対策が施されています。

赤いリボンの上側の弦が飛びやすいので、

このリボンを互い違いに編み込んで弦飛びを防いでいます。

また、さらに安全対策として、(写真はありませんが、、、)ヒッチピン(弦を引っかけている部分)にシリコンチューブを取り付けて弦の輪っかが抜けるのを防ぐことができます。

その他にも、有効弦長(実際に音を出す為に振動する部分)以外の箇所を紐で繋ぎ合せて切れても飛んで行かないようにする方法もあります。

美しい音色を奏でるピアノではありますが、経年劣化によってトラブルに発展する場合がありますので、ご心配な方は、担当調律師にご相談ください。

大切なピアノを安心して末永くご使用頂ける様、しっかり対応させて頂きます。