巻き線のお話①

2022年3月21日

こんにちは。MPCピアノメンテナンスの加賀谷巌です。

早速ですが、これはピアノのどこの部品でしょう?

正解はピアノのベース弦(低音弦)でした。

ベース弦は芯線に銅線が巻き付けられて制作されています。

低い音を出すためには、『弦長を長くする』方法と、弦自体の『質量を大きくする=重くする』方法があります。

『弦長を長くする』は見た目で分かりやすいですよね?ピアノ、ハープなどは低い音は弦が長く、高い音になるにつれて短くなって行きます。単純に長さだけで考えると長さが2分の1になると約1オクターブ高い音になります。(実際には弦の太さも関係するのでピッタリでは無いです。)

もう一つの方法の「弦の質量を大きくする=重くする」は、単純に弦を太くさえすれば重くなるのですが、残念ながらピアノの弦は金属(鋼)で、太くなると弦に必要な柔軟性(弦がしなるための柔らかさ)がなくなってしまい、硬さが低い音を出すための妨げになってしまいます。

太くしたい(質量は増やしたい)けど、柔らかさは失わない。そんな問題を金属の中でも軟らかい銅を巻きつける事で解決しているのがピアノのベース弦です。

ピアノベース弦の豆知識でした。

次回の私の投稿は、またベース弦のお話になりますが、ちょっと怖い話しになります。怖いけど、知っておいて損はないと思います。お楽しみに。。。