2021年9月19日
調律師の樋口です。
お客様より鍵盤が戻らない、音が出ない箇所があるといったご依頼を受けて状態を確認しに行ったら、とても珍しいピアノが置いてありました。
ヤマハのS2Cという機種です。チェコの建築家であるアントニン・レーモンド氏がデザインしたもので高さが1mもないスピネットと言われるモデルです。
鍵盤の蓋を閉じると小さな机のようになります。
ドロップアクションという特殊な内部機構で動きますが、動作不良を起こして正しいタッチが損なわれてしまいました。
まずは原因となっている箇所を特定して修理、その後タッチの調整をイチからやり直して最後に調律を行いました。
下側から工具を入れて調整。いつもの倍くらいの時間がかかります。
鍵盤の高さの調整。鍵盤の奥にハンマーがある不思議な光景。
ハンマーと弦の最接近距離の調整。調整用のネジがとても見づらい・・・。
仕上げに調律。座ったままでないとできません。
お客様の思い出のたくさん詰まった大切なピアノです。これからも弾いてほしいですね。
修理・調整が難しいピアノでも当社ではできる限りの対応をさせて頂きます。
他社に頼んでも断られた、あるいは思うような結果を得られなかったという方は下記リンクよりぜひ当社にお問い合わせください。
※お客様の許可を得て撮影させて頂きました。